[第33話] 嘘 ページ7
.
ザックside.
ﾚｲ｢ザック…｣
ﾚｲ｢よかった…寝てるだけだ。｣
…うるせーな。
ﾚｲ｢先に薬だけでも｣
せっかく寝てんのに
ﾚｲ｢……この火傷のあとは…｣
そんな声で呼ぶんじゃねーよ。
…レイside.
ｻﾞｯｸ｢……｣ﾊﾟﾁ…
ﾚｲ｢！
ザック……！
目が覚めたんだ。｣
ｻﾞｯｸ｢あー、つーか……
なにしてんだ、お前…｣
ﾚｲ｢薬を持ってきたから今、ザックに塗っていたの。｣
ｻﾞｯｸ｢…お前無事だったのかよ。｣
ﾚｲ｢……うん。｣
ｻﾞｯｸ｢…何がうん、だ。
傷だらけじゃねえか…｣
さっきの幻覚のときに傷ついたところをザックに指摘された。
ｻﾞｯｸ｢つーかダニーはいたのか？
どうやって薬を持ってきたんだ？｣
ﾚｲ｢ダニー先生はいなかった……
でも薬はここのフロアの神父様にもらったの。｣
ｻﾞｯｸ｢！
…あいつか。｣
ｻﾞｯｸ｢ぐっ…｣
寝転んでいたザックは座ろうとして身体をあげた。
その時に痛みがでて、疼いていた。
ﾚｲ｢あっ、あんまり動いちゃダメ。｣
ｻﾞｯｸ｢……あぁ、これじゃあ傷がまた開くな。｣
ﾚｲ｢傷口、私が縫う。
私、おさいほう得意だから。｣
ｻﾞｯｸ｢やめろ、自分でやる。｣
ﾚｲ｢ザックもおさいほう得意なの？｣
ｻﾞｯｸ｢……！？｣
ﾚｲ｢…やっぱり私が縫う。
それにザックのお腹、私が縫いたいの。｣
ｻﾞｯｸ｢……じゃあ好きにしろよ。
気持ち悪くてもしらねぇぞ。｣
ﾚｲ｢待ってて、糸を切ったりするから。｣
ｻﾞｯｸ｢…手、傷だらけじゃねぇか。｣
ﾚｲ｢うん……
でも大丈夫、この傷は痛くないから。｣
ｻﾞｯｸ｢___ほんとになんだ、てめぇはよぉ。
こんなぐちゃぐちゃな腹を触っても、平気だっつーような顔してやがって。
弱っちぃお前が薬を持って帰ってきたことは褒めてやるよ。
でもな…ここまでする必要もねぇだろ。
なぁ、レイ。
ここまでする理由はなんなんだよ。｣
ﾚｲ｢ｰｰｰｰｰｰ……
ねぇ、ザックに借りたナイフで糸を切ってもいい？
このナイフ、すごく切れるの。｣
ｻﾞｯｸ｢おい！
さすがにそんなんで誤魔化されねぇぞ！？
答えろよ。｣
ﾚｲ｢……、｣
ｻﾞｯｸ｢……。｣
ﾚｲ｢だって……
ザックは"私の神様"だから。｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春猫
| 作成日時：2020年12月4日 12時
