いわく(テテ)つき物件

23 手紙 ページ23

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ひとしきり泣いて、

何とか自分を落ち着かせてテヒョンのお家へ戻る。








『おかえりなさいーってAちゃんどうしたの？！』




「おばさん……」




『とりあえず、落ち着いて？』









「おばさんすみません…
私、テヒョン君が川で亡くなったこと知らなくて、

この前お話しされてた、引っ越したかったって話……」





『そうだったの。ジミン君から聞いた？』



「はい…」








おばさんのこと見ると、余計に辛くなってきて涙が溢れてくる






『Aちゃん、泣かないで？
テヒョンは男の子の命を救ったの。

あの男の子、今でも元気に暮らしてるのよ』





おばさんは男の子のその後が気になって
陰ながら見守っているとか。









『人様の命を助けて死んでいったの……なんて誇らしい息子なんだろうか』


『でも思ってしまうの、あの日、行くのを止めていたら今頃って……』






でも、起きてしまったものは仕方ないって。









「あの……実はテヒョン君から手紙を預かっていて、私が代読しますね」







「母さんへ

母さん、急に死んでしまってごめんなさい。
あんなに手塩にかけて育ててくれたのに。
親よりも先に逝く親不孝ものでごめんね。

父さんと母さんは、俺がやりたいって言ったことは何でもさせてくれたね。
俺がサックスを習いたいと言った時もやらせてくれて、
初めての発表会では張り切って高いスーツを買ってくれたよね、あれ嬉しかったよ。
でも、下手なくせに大きな花束もらったときはちょっと恥ずかしかったw


中三の時グレて、家出したときは心配かけてごめんね。
俺を見つけたときの母さんの泣き顔、今でも忘れられないよ。あと叩かれた時の頰の痛みも」







手紙には、他にもたくさんのエピソードと
感謝の言葉が綴られていた_____






「母さんも父さんも健康で長生きして下さい。
俺の分も生きてね。

ずっと空の上から見守っているよ。

これからもずっと、愛してるよ


テヒョン」









読みながら泣く私と、

それを聞いて涙するおばさん。









『ありがとう、テヒョンのメッセージを届けてくれて。ありがとう……』







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私の役目は果たされた_________



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