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好きだ7 及川side ページ8

彼女の前をポケットに手を突っ込みながら歩いていく岩ちゃんを見送ったのは数分前のこと。


『あーあ、あれじゃ送る意味とはって感じだね。』


こう思ったのは俺だけの秘密。
言ったら殴られるの確実だしね。

自室のベッドに寝転がりながら岩ちゃんのことを考える。


(あの岩ちゃんが初恋かぁ〜。)


小さい頃からずっと一緒にいる彼の新たな一面。
喜ばしいことなんだろうけど、

どこかちょっぴり


『寂しいな。』


もしあの子が彼女になったりしたら俺にかまってくれなくなったりするんだろうか。

今まで何だかんだ岩ちゃんの中で俺が1番で、それを誰かに譲るのは少し嫌だ。


それにしても遅いな〜、ほんとに送り狼になっちゃってたりして。

いやいや、あの岩ちゃんに限ってそれはないか。


そんな事をぼんやり考えているうちに眠気が襲ってきた。



ピンポーーン ピンポン ピンポーーン



連打される呼び鈴の音に目が覚める。


『やば!もう18時?!』


外はすっかり夕焼け色。

いまだに連打される音に玄関へと急ぐ。


『はいはい、なに?!』


そこに立っていたのは、


岩「おう、てめぇさっきはよくもやってくれたな。」


彼女を送ってきたであろう岩ちゃん。


『何でよ!及川さんのナイス気遣いじゃん!』

岩「うるせぇ!急に2人にされても話す内容に困んだろうが!!!」


岩ちゃんの叫びに思わずブッと吹き出す。


(あぁ、好きな人ができても岩ちゃんは岩ちゃんだ。)


顔を真っ赤に睨みつける幼馴染に安心する。


『ゴメンゴメン!モテない岩ちゃんにはハードル高かったね☆俺モテるから気がつかなかったよ!』


いつものようにテヘと首を傾げると強力な鉄拳が飛んできた。


『痛いよ!岩ちゃん!!』

岩「今のは確実にお前が悪いだろ!!」


他にも何かブツブツ言いながら勝手に俺の部屋に向かって歩いていく岩ちゃんの背中に向かって


(おめでとう、岩ちゃん。)


新たに一歩踏み出した幼馴染にささやかな祝福を

ちょっぴり寂しいけど岩ちゃんは岩ちゃんだって分かったから。


『ちょ、岩ちゃん、待って!詳しく聞かせて!!』

岩「うるせぇ!ついてくんな!」

『ここ俺の家!!』



男らしい背中を追いかけていくちょっとセンチメンタルな及川さんでした。

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設定タグ:HQ , 岩泉一 , ハイキュー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:晴雛 | 作成日時:2017年12月3日 4時

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