好きだ19 ページ20
引き続き唄side
岩「あ"ぁ?!、、それ本気で言ってんのか？」
雰囲気でだけだけど一君がすごく怒っているのが分かる。
なんで一君は私なんかのためにこんなに怒ってくれるんでしょう。
一君の勢いに彼女は怯えたように下がる。
及「ﾊｲﾊ〜ｲ、落ち着いて岩ちゃん。お顔がゴリラそのものだよ☆」
この空気を破るように徹君が突然一君の顔に平手打ちした。
岩「いってーな！なんだよ！」
及「まぁまぁ、ﾎﾗ、この子達は俺が送っていくから岩ちゃんは早く唄ｻﾝ送ってあげな〜。」
岩「ﾁｯ分かったよ。」
一君に手を引かれる。
モブ女1「ちょ！ちょっと、待ってください!!」
及「君たち、そこまでにしときなさい。」
モブ女2「でも！」
及「少なくとも、あんな風に言う子は岩ちゃんのタイプにはなれないよ。」
モブ女2「っ!!」
及「ﾎﾗ、分かったら送っていってあげるから帰んなさい。」
モブ女2「、、はい。」
徹君が彼女達を連れて行くのを見て私達も歩き始める。
"嫌な思いさせて悪かった。"
一君がいつものように携帯を見せてくる。
私は首を振りながら
"大丈夫！一君のせいじゃないし、あぁいうの慣れてるし。"
と見せると、一君は悔しそうな顔しながら
"だとしても。嫌なことには変わりないだろ。俺はそんな気持ちにさせたくなかった。"
"一君のその気持ちだけで十分嬉しい。"
"もう二度とこんな思いさせねぇから。"
彼の気持ちが強く伝わる。
"どうしてこんなに優しくしてくれるの??"
私の問に一君は握った左手を右手で軽くなでた。
この手話は
"大切だから。"
彼の手話に再び胸が苦しくなる。
ねぇ、貴方の大切とは何ですか??
貴方はとても真摯な人だから、恋愛的に好きな人でなくても家族や仲間、私のように少し関わりを持った人間でさえ大切にしてくれるのでしょう。
手話ではそこら辺のニュアンスまで掴むのは難しいのです。
例え貴方の私に対する"大切"が"恋愛的"なものじゃないとしても私はとても嬉しいです。
例え私の"大切"と貴方の"大切"が重なることがなくとも。
だって私は"障害者"だから。
私はどうにもならない感情を押し込めるように彼の手を握り駅までの道のりをただ歩いた。
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作者名：晴雛 | 作成日時：2017年12月3日 4時
