岩泉くんは切ない恋をしています。【HQ】 (ページ16)

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好きだ15 ページ16

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｯ!!

走ってきた勢いのまま体育館の扉を開いた。

花「おー、お帰り。そんな急いでどした？」

『や、別に何でもねぇ。』

松「送り狼にならなかったな。」

及「岩ちゃんがそんな事できるわけないじゃん。」

『あ"?喧嘩売ってんのか。』

及「ち、違うよー。」

くだらない話をしながらその後30分ほど自主練を続け片付けた。

着替えるために部室に入りロッカーを開ける。

花「なー、岩泉はあの人に告らないの？」

ジャージの上着を脱いでいた俺の手がピタリと止まる。

花「え?!何その反応。もしかしてもう告った?!」

『告ったっていうか、前に後ろ姿見ててポロッと言っちまった。』

松「まじかよ。でた、天然タラシ。」

花「で?!反応は?!」

あのときのことを思い出して情けない顔になるのが自分でもわかる。

『聴こえないから。』

花「あ、、。」

花巻は何とも気まずそうな顔をする。

『後から言っただけだから向こうは俺が話してたことすら知らねぇと思う。』

及「、、岩ちゃん。」

松「、、でも、ちゃんと伝える気はあるんだろ？」

『あぁ。』

これだけはっきり言える。
この想いは俺の中で留めておくには大きすぎる。

及「でも岩ちゃんは直接言いたいんだよね？メールとかじゃなくて。」

『あぁ。』

松「ほんと男前だよ、うちの副主将様は。」

花「でも直接ってどうやって？あ、ゆっくり話せば一応解読は出来るのか。」

『それはなんか一方的で嫌だ。』

花「は？」

及「岩ちゃん、告白なんて一方的なものだよ。」

『ちげーよ。その解読ってのが必要ってことは俺の想いを相手に丸投げしてんのと同じだろ？』

花、及「ん？」

うまく言いたいことが伝わらず頭をガシガシと掻く。

松「つまり、口の動きだけなら好きって伝えても他の意味に捉えられてしまう可能性があるから自分は発するだけであとは向こうに丸投げなのが嫌なんだろ？意味はしっかり伝えたいけど、文字は嫌、か。」

花、及「ほー。なるほど。」

『文字は嫌というか会話で伝えたい。』

及「ふむ。会話ねぇ。」

みんな黙りこくって頭を悩ませる。

及「今まで唄ｻﾝとコミュニケーションを取ってきた中で会話してるなぁ。みたいなことを感じたことは？」

及川の質問に今までのことを思い出す。

『あ、あったわ。』

及「なに？」

『手話。、、手話同士で話したときこれが唄ｻﾝの会話なんだって思った。』

及「それだ!!手話も言語だもんね!!」