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38:世界が桜で染まる時【斎宮宗】 ページ41

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太陽の光が白いカーテンに反射して、部屋を眩しく照らしている。
白で埋め尽くされたこの部屋は私にはまるで毒のようだ。

「お綺麗ですよ」なんて言葉をさらりと受け流し、仕上がりを鏡で確認してみる。


「キレイ、ね…」


キレイなんて言葉は所詮お世辞でしかない。私から見た私は世界で一番醜い姿をしている。
流れのまま受け入れてしまった白い純白のドレス。
初婚でなければ白は着れないのだったか。それなら果たしてこれで本当に良かったか。

ふと私の後ろに人影ができ、私はそれを反射的にみる。

桜色の少し癖っ毛な髪は、櫛を通しても言うことを聞くのは一瞬だけ。
それは今も変わらず、短めのサッパリとした髪型で、彼は少年のように瞳を輝かせていた。


「君は相変わらず美しい。…胸元はきつくないかい?」
「ちょうどいい。さすが宗だね」
「愚問なのだよ」


ふっと満更でもなさそうに鼻を鳴らすと、片方の口角を上げた。
私の髪を一房手に取ると、指を通していく。
髪には神経なんて通っていないのに直接触れているかのように肩が揺れた。

宗はそんな私の変化には気づかなかったようで、
いつか見た、芸術作品を愛おしむかのような瞳で髪を指に巻きつけた。



「一つ言わせてもらうなら、髪は短い方が似合っていただろうね」
「じゃあ今宗が切っちゃう?」
「いや…さすがに新郎に悪いだろう」


眉間にしわを寄せているあたり、こんな場でなければ本当にするつもりだったのだろう。
彼は相変わらず自分の趣向のためなら何でもする。
そんな周りの目を気にしないところが私は__。

いや、やめておこう。



「そろそろ時間かな」
「ふむ…、もう、か…早いね」



あなたはそうやって本当に寂しそうに言うからズルい。
そんな風に言われたら行きたくないなぁなんて思ってしまう。
ずっと人形のままでいいから、あなたと近くにいれたらいいのに。

ごめんね、宗。
やっぱり私にはこんな綺麗な白いドレス似合わないみたい。
せっかく繕ってくれたのにごめんね。



「今の君は何よりも綺麗だ。…陳腐な言葉ですまない。ほら、行ってきたまえ」



ふわっと優しく微笑まれて、じんわりと目頭が熱くなる。
こんな醜い私に彼が綺麗って微笑んでくれるんだったら、私にはもうこれ以上何もいらない。



「ありがとう。行ってきます」



ありがとう宗。大好きだよ。




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テスト赤点確実で色々と終わりました。
まず基礎が出来てない私を進級させないでください(血涙)

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くるみ - こんにちは!レオくんの話すごく切なかったです。幸せな話もまた読みたいです!これからも頑張ってください! (6月27日 13時) (レス) id: 1520c09c44 (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - レオのアンドロイド切ない… (6月25日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
(名前) - 初コメ失礼します!レオくんのケーキとフォークの話がとても切なくて少し悲しい気持ちになりました。読み手をそういう気持ちにさせられるってすごいと思います!応援してるので頑張ってください! (6月3日 22時) (レス) id: fe02a3a839 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - adoraさんの書くせないず可愛くて大好きです!更新いつもありがとうございます…!これからも頑張ってください!! (5月21日 6時) (レス) id: bc4ed3887c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:adora | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年4月24日 0時

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