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02:あまぐるしい目覚め【朔間凛月】 ページ2

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アルプスの草原みたいに綺麗な丘で、
私は凛月くんと並んで横になって、ゆったりと雲を眺めていた。
澄み渡った青色の空に、わたあめみたいにふわふわの雲がいくつか浮いている。


「あっ、あれ音符みたいな形だ」
「ほんとだ、王さまが見たら喜びそ〜」
「だねぇ」


生暖かい風が頬をするりと撫でていく。
まるでそれは人の手みたいな手つきで撫でるので、
思わず背筋がゾクゾクッとしてしまった。

そんな気分を紛らわすために、
横の凛月くんのほうへ顔を向けてみる。
相変わらず綺麗な顔。
長いまつげに陶器みたいにスベスベの肌。
真っ白な肌に深紅の瞳と、艶やかな黒い髪。

__私だけが触れられるんだから。


「ん…どうしたの?」
「なんか幸せだな〜って」
「へぇ〜、素直でよろしい」


あー幸せ。
だってこんなカッコよくて可愛くて素敵な人が彼氏なんだもん。
世界中のどの女の子より幸せな自信がある。
むしろ幸せな自信しかない。


「んふふ、凛月くんだいすき」


「……俺もだよ」


耳元で凛月くんの声が聞こえた。
ヤケに鮮明でハッキリと耳に直接届いた。

ぱっちりと目を開けて最初に入ってきたのは天井。
それからふかふかの毛布と首元にくすぐったい感触が伝わってきた。
あれ、私は今凛月くんと空を眺めていたんじゃ…。


「ふぁあ、ふ……おはよ…♪」
「……夢か。ん、おはよりつくん」


まるでイモムシみたいにのっそりと半身を起こすと、
半目の凛月くんは私の上に乗っかってきた。
思いっきり体重をかけてくるので、
寝起きで無防備な私は思わず「ぐえっ」なんて女子力のない声をあげた。


「くるしい…」
「えーなに? きこえな〜い♪」
「……でぶ」
「は? Aへの愛の重さだわ」


いやおっっっも。

ああ、せっかく甘い夢を見て幸せに浸ってたのに。
現実の彼と言えばかわいいかわいい彼女をいじめて喜ぶサディストである。


「ん…ちゅーしてあげるから、きげん、なおして」
「も〜…んっ」


でも、ちゅーされるだけでコロッと機嫌のなおる私も私かもしれない。



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くるみ - こんにちは!レオくんの話すごく切なかったです。幸せな話もまた読みたいです!これからも頑張ってください! (6月27日 13時) (レス) id: 1520c09c44 (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - レオのアンドロイド切ない… (6月25日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
(名前) - 初コメ失礼します!レオくんのケーキとフォークの話がとても切なくて少し悲しい気持ちになりました。読み手をそういう気持ちにさせられるってすごいと思います!応援してるので頑張ってください! (6月3日 22時) (レス) id: fe02a3a839 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - adoraさんの書くせないず可愛くて大好きです!更新いつもありがとうございます…!これからも頑張ってください!! (5月21日 6時) (レス) id: bc4ed3887c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:adora | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年4月24日 0時

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