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相変わらず司がタルトを食べる様子を見つめていると、
彼は唐突にハッとした表情を浮かべ、タルトを突き出してきた。
「…なに？」
「あーん、ですよ！恋人同士がするという行為ですっ。ほら、お口を開けなさい…♪」
「ちょっ、唐突すぎっ！なに！？」
無理やり頬を掴む彼に抵抗をすれば、不思議そうに眉を寄せた。
「アイドルになれば、Aの乙女心が少しでもわかると思ったのですが…」
「私の…？」
「ええ、女性が喜ぶことがわかれば、貴女にも喜んでもらえるかと思って」
「な、」
なにそれ。
聞いてないし知らないし、意味わかんない。
いつもみたいな和やかな笑顔を浮かべて、さも当たり前のように言うもんだから、
私の心は馬鹿みたいに単純に絆されてしまう。
私も大概だなぁと思う反面、こういうところだったのかもしれない。
「ですので」とタルトを押し付けてくるので、仕方なく私も口を開く。
一口かじれば口に広がる甘酸っぱいオレンジやグレープフルーツの味。
「美味しい」
「貴女は昔からorangeが好きでしたよね」
「そうだったっけ？」
「ええ、dessertのorangeをいつも貴女に分けていたのを思い出します」
「そんなこともあったねぇ」
うそ、私だって覚えてる。
オレンジは、小さい時に司がお昼の時間に分けてくれたから好きになった。
そんなのわかんないだろうけど、
それでもいいんだ。
だって、君が私のことを考えてくれてるってしれたから。
突拍子もなく行動するのは許せないけど。
「ファンサ厚いのはいいけど、私以外の子にしたら許さないから」
「えっ！？ そ、それは難しいのでは…？」
「あと、ライブは絶対行くから。小さいのでも大きいのでも」
だから、どこにいても私を見つけてね。
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25：溺れるならいっそ深くまで【月永レオ】→←24：Yes,your majesty【朱桜司】
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くるみ - こんにちは！レオくんの話すごく切なかったです。幸せな話もまた読みたいです！これからも頑張ってください！ (2019年6月27日 13時) (
レス) id: 1520c09c44 (このIDを非表示/違反報告)
さゆな(プロフ) - レオのアンドロイド切ない… (2019年6月25日 20時) (レス) id: a613cbb65f (このIDを非表示/違反報告)
(名前) - 初コメ失礼します！レオくんのケーキとフォークの話がとても切なくて少し悲しい気持ちになりました。読み手をそういう気持ちにさせられるってすごいと思います！応援してるので頑張ってください！ (2019年6月3日 22時) (レス) id: fe02a3a839 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - adoraさんの書くせないず可愛くて大好きです！更新いつもありがとうございます…！これからも頑張ってください！！ (2019年5月21日 6時) (レス) id: bc4ed3887c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：adora | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月24日 0時
