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18話(side N) ページ18

「おい!止まれ!」




うちの構成員に矛先が向いた所で、腕を掴んで抑えようとするが異能無しでは止められなかった。


しかし俺の異能では、加減を少しでも間違えれば重力で潰れてしまう。


女のこれは、異能なのか。




女は頭から血を流し、肩も、腹も撃ち抜かれ動く度に血を吹き出して、両足で立っているものの片方はつま先が真後ろを向いていた。


生きているのが不思議な程で、綺麗な白い肌は赤黒く染まっていた。


普通の人間なら、意識を保つ事すら出来ないはずだ。


普通の人間なら、折れた足で地面を蹴れるはずが無い。




既視感を覚えた。


ボロボロになってまで、戦い続けるその姿に。


俺の汚濁状態は、つまりああいい事か。


なら、女はこのまま死ぬ迄暴れ続けるのか。




今思い浮かぶのは、全身に包帯を巻いたクソ野郎の顔。




初めて、何故今太宰が居ない事へ焦りを抱いた。




俺が汚濁状態から帰って来れたのは、いつも太宰がいたからだ。









「クソッ・・・・・・」




このまま放置しておく訳にも行かず、最大限加減をして重力で女を抑え込む。


地面に伏せた女は、重力に抗おうとするが人間が起き上がれないギリギリの重力をかけている。


こうでしか、俺には女を止める術はない。




ごきり、と。


ぶちり、と。




骨の折れる音だ。


筋繊維がちぎれる音だ。


人間は、自分の意思では100%の力が出せないとどこかで聞いた。


100%の力は、体が耐えられないからだ。


女はそのリミッターが解除された状態だったのだ。




重力に抗おうと、悲鳴を上げた骨と筋肉を無視して女は立ち上がろうとする。









自分の異能を呪った。


何故、こんな異能を持ってしまったのか。


何故、何故、何故、俺ではこいつを止められないのか。




こんな異能では、惚れた女一人守ってやれないのか。




やはり、思い浮かべるのはあのクソ野郎で。


俺は生まれて初めて、あいつの異能が欲しいと願ってしまった。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , 文スト   
作品ジャンル:恋愛
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柚子豆腐(プロフ) - 天草嶋さん» コメントありがとうございます!最終話までお付き合いいただき本当に嬉しいです。番外編は書くか分かりませんが中也の話はまた書きたいと思ってますので今作以上にかっこいい中也をお届けできればと思います!新作もどうかよろしくお願いします。 (2019年8月6日 3時) (レス) id: 39b3b859c1 (このIDを非表示/違反報告)
天草嶋(プロフ) - 最終話が拝めて本当に満足です。今まで私が見たどの夢小説の中でも一番理想の中也像が描かれていて本当に大好きな作品でした。終わってしまったのは少し寂しいですが、また何か番外編などあれば是非読みたいです。新作も楽しみにしています!お疲れ様でした! (2019年8月5日 19時) (レス) id: be6bb92be5 (このIDを非表示/違反報告)
柚子豆腐(プロフ) - 謝花さん» コメントありがとうございます!こちらこそまじ感謝です!これからも頑張ります! (2019年7月20日 0時) (レス) id: 39b3b859c1 (このIDを非表示/違反報告)
柚子豆腐(プロフ) - 桜咲月菜さん» コメントありがとうございます!読んで下さっている読者様の方こそが神様でございます…でも、嬉しいです…… (2019年7月20日 0時) (レス) id: 39b3b859c1 (このIDを非表示/違反報告)
謝花 - 尊…い…まじ感謝です (2019年7月19日 14時) (レス) id: cfb76e4621 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚子豆腐 | 作成日時:2019年5月14日 5時

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