◇ ページ4
落ち着きのないうずまきナルト
一匹狼のクールなうちはサスケ
視界にはサスケ君しか入っていない春野サクラ
これは前途多難そうだな、と思ったのは私だけではなかったらしく隣でカカシ先輩が珍しくため息を吐いていた。
「そろそろ時間ですし、もう行きますか?」
「……いや、ちょっと続きを読みたいからまだ行かない」
そういうと彼らを覗き見していた屋根裏で、顔合わせ五分前にも拘わらず胡坐をかいたままイチャイチャパラダイスを読み始めた。
……こんな自由な人だったっけ!?
自由というよりもやる気がないだけなのだろうか。というか続きを読みたいってそれ何回読み返したら気がすむんだ。近々続編が出るらしいが、本当に発売されたら先輩はどうなってしまうのだろうか……。
下を覗けばもうアスマさんと紅さんが教室に来ており、六班と八班のメンバーと早々に出て行った。アスマさんが教室から出ていく間際にちらりとこちらを見て、にやりと笑っていた。
「アスマさんにはバレてますよ……」
「本人たちにバレてなきゃいいんじゃないの」
「その本、そろそろ暗記したんじゃないですか」
よっぽど集中しているのか「まあだいたいは」と生返事をいただいた。私と会話する暇があるならイチャパラ読みたいってか。
なんて被害妄想をしながら勝手に傷付いたので、カカシ先輩が行く気になるまで黙って下の三人を眺めていることにした。そもそも何故わざと遅刻するのか……。
暗部に居た頃は時間もルールも厳守の冷徹人間だったというのに、今目の前にいる先輩はまるで別人のように顔の筋肉を緩ませていた。そんな顔も素敵である。
数十分程経った頃、ついに痺れを切らしたのかうずまきナルトが大声を上げた。
「なんで俺たち七班の先生だけこんなにくんのがおせーんだってばよォ!!」
それは私も是非聞いてみたいが、たぶん何度聞いてもほんの続きが読みたいからとしか返ってこないだろう。
するとカカシ先輩はパタリと本を閉じやっと彼らの元へ向かう気になったらしい。
「んじゃそろそろいこーか」
「読み終わったんですか?」
「んー……まだ」
どうやら本心はもう少し本を読んでいたいらしい。
けだるそうに先輩は扉に手をかけるが、上のほうには黒板けしが仕掛けてあった。なんて見え見えの罠だろうか。けれどわざわざよけるのもめんどくさかったのか先輩は躊躇なく扉を開け見事頭で黒板消しをキャッチした。お見事。
134人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼葉(プロフ) - カカシ先生すっごいかっこいいです!!面白いです!!更新待ってます! (2019年3月29日 15時) (レス) id: 23fe071b17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柚子豆腐 | 作成日時:2019年3月5日 2時