求めるもの【はたけカカシ】 (ページ3)

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たとえ相手が下忍といえど入念な下調べは怠らないということか、と一人勝手に納得しついでにその下調べに私と一緒に行こうと思ってくれたあたりにテンション爆上げである。

「しかし久しぶりだね同じ班になるのは」

「先輩が暗部を抜けて以来ですから、もう何年になりますかね？」

「えー何年前だったかな」

お互い何年前だったかもすっと出てこず、二人して吹き出してしまった。
隣ではカカシ先輩が深刻な顔をしながら老化の始まりか？と呟いていた。そのわざとらしい真剣な表情もかっこよくてついつい見惚れてしまう。

私の視線に気が付いたのか先輩の顔がゆっくりとこちらを向こうとしたので、目が合う前に正面へと向き直る。だって恥ずかしくて目なんて合わせられたものじゃない。

「カカシ先輩はまだまだお若いじゃないですか」

誤魔化すようにそう言えば、先輩はとくに気にした様子もなく。

「いやいや、今から会う奴らなんて13だぞ？俺なんてもうおっさんじゃないの」

「いいえ、それは気の持ちようです。自分が若いと思えばいつまでも若くいられるんです？」

「なるほど、だからAは変わらないのか」

か、変わらない!?私そんなにまだ子供っぽいのだろうか。いつまで経っても成長しないなって遠回しに言われてる!?

嘘、テンゾウには最近大人っぽくなったって誉めてもらったのに!?あの言葉は嘘だったのか、いつまでも変わらない私への憐みだったのだろうか。

ショックのあまり口が開かなくなってしまった私はとぼとぼとカカシ先輩の隣を歩くしかできなくなってしまった。

いやわかっている。変わってないのではなくカカシ先輩が私の変化に気が付くほど私に興味を持っていないのだ。ふふふ、いいさわかっていたことさこの人に乙女心なんてものがわからないことも。

「よし、ついたな」

「…………懐かしい」

もう何年前になるのだろうか。これこそすぐには出てこないが、私の忍人生はここから始まったのだと思うとどこか感慨深いものがある。

当時の先生はもうとっくに引退しているが、建物はほとんど何も変わっていなかった。

「確かに、懐かしいね」

そう呟いたカカシ先輩の顔はどこか、物憂げで……いや、私の気のせいかもしれないと思うことにした。私が「どうしましたか」なんて聞いたところでなんでもないと返ってくるのは目に見えていたからだ。

「さ、行こうか」