◇ ページ12
三人をカカシ先輩とならんで見送った後に事件は起こってしまったのだ。
「今日もお疲れ様でした。また明日ですね」
「Aこそお疲れ様。今日は家でゆっくりしておけばよかったのに」
「いえ、そんなに大変な任務でもなかったですしまだまだ大丈夫ですよ」
気を使わせまいと必死にふるまえば、なぜかカカシ先輩は突然黙り込み何かを考え始めて。ちょっと待って私何かまずいことでも言ってしまっただろうか。
まだまだ大丈夫ならもっと働けとか思われてたらどうしよう!!
しかしカカシ先輩の口から出た言葉は私が予想だにしなかった言葉だった。
「まだまだ大丈夫なら、今から飯でも行こうか」
どこか気恥ずかしそうに頬を書いている先輩が可愛すぎるということしかとにかく理解が出来なくて、私の口は開きもせず一文字に結んだまま動いてくれなかった。
いったい何が起きたのだろう。天変地異でも起きたか?
いやいや、なんだか今飯に行こうと誘われているような気がするがたぶん気のせいだ。拗らせすぎたせいで耳が自分の都合のいいように聞き取ってしまったんだろう。
「も、しかして……飯に行こうかとおっしゃいましたでしょうか」
「そう言ったつもりだったんだけど……」
聞こえなかった?と首をかしげるカカシ先輩。どうやら本当に私は誘われているらしい。どうして、何故、私とご飯を食べて先輩にどんなメリットがあるというのだろうか。
私がうれしいだけだ。なんだそのご褒美。
「冗談、とかじゃないですよね…?」
「なんの為にそんな冗談言わなきゃなんないの」
「ごもっとも」
一人で食べるのはむなしいとか、そういうガラじゃないだろうし。
「嫌なら無理にとは言わないけど」
「嫌じゃないです!行きます!」
少し食い気味で返事をすれば、若干ひかれてしまったがこんなまたとない機会を逃すわけにはいかない。
「先輩だからって無理してないか?」
「無理なんてしてません!」
「いや随分悩んでたからさ……」
「それは!…………」
それは?と聞き返されたが、先輩からご飯に誘われるなんて夢のようで固まってしまったなんて本人に言えるわけもなくしぼんだ声で「なんでもありません」というしかなかった。
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蒼葉(プロフ) - カカシ先生すっごいかっこいいです!!面白いです!!更新待ってます! (2019年3月29日 15時) (レス) id: 23fe071b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚子豆腐 | 作成日時:2019年3月5日 2時