セコムしないでください！【糸師凛】 (ページ5)

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『凛ってさ』

凛｢あ？｣

『よく距離感バグってるって言われない？』

凛｢はぁ？言われたことねぇよ｣

『そっか...』

そうだ、この人友達いないんだった...
凛はときどき...いやいつも距離感がおかしいと思う。
だって、普通ダイニングテーブルに2人で座るってなったら正面に座らない？
でもこの幼なじみは、なぜか隣に座ってくる。
当たり前のように隣に座るから私の方がおかしいのか...？と思うくらいだ。

これで何か言ったらまた機嫌が悪くなりそうだから諦めてご飯を食べ進めた。

*******
ご飯も食べ終わり、後片付けも済んでひと息つくと、お酒が飲みたくなってきた。
冷蔵庫を確認したらまさかのお酒のストックが無くなっていてショックを受ける。

...今凛お風呂入ってるしコンビニすぐそこだから行けるか...？
バレた時のために凛のアイスも買うことを決意し、スマホを持って家を飛び出す。

お気に入りのお酒と凛用のアイスをいくつかカゴに入れ、レジへと向かう。
支払いはキャッシュレス派だから店員さんにスマホ画面を見せるためにスマホを開く。

するとおびただしいほどの通知がポコポコと届いていた。
バーコードを見せる間にも通知は飛んできて、店員さんにドン引かれながら店を後にした。

この通知の原因は言うまでもなく凛で、メッセージアプリを開くと｢おい｣｢今どこだ｣｢無視すんなバカ｣というメッセージの他に、たくさんの罵詈雑言であふれたメッセージが届いていた。

既読を付けても何も返さなかったからなのか、今度は電話がかかってくる。

本当に出たくないけど、メッセージに気づいていることはもうバレているため仕方なく電話に出る。

『...もしもし』

凛｢おい、今どこにいる｣

『お、お酒買いにコンビニに...』

凛｢いつものコンビニか｣

『ハイ...』

分かったと言い通話は切れた。
...これは迎えに行くからそこで動かずに待ってろという意味だ。
それから数分もしないうちに凛がコンビニにやってきた。
お風呂上がりだから髪がびちょ濡れで、服にも少し水滴が滴っていた。

凛｢お前懲りてねぇな。心配かけんなって言ってんだろ学習しろバカが｣

走ってきたのか少し息切れをしている。さすがの私も何も言わずに出ていったのには申し訳なさを感じた。

『ごめんね...』

凛｢...次からは俺も行くから言え｣

素直に謝ったおかげか、お説教はこれだけで済んだから2人で並んで家へと向かった。