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虚しさはいつも当たり前の顔して【琴子ママ】 ページ16

虚しさはいつも
当たり前の顔して【琴子ママ】







私の娘は、アイドルだ。

兵庫のいな…いや、すみれの花咲く歌劇の町に生を受け
8歳で性別を飛び越えて、異例の事務所入所。

先輩方のバックに付き、子役としても活動。

2005年にグループ加入。

その後もドラマ、映画、バラエティ、舞台と
多彩に頑張ってきた。

自慢の娘、それが小林A。









………表向きは。




私は彼女を生んでいない。

血も繋がっていない。


赤の他人同士で私達は「家族」をやっている。

今から20年近く前の話だ。







Aはある日、両親と暮らしていた家を火事で失った。

Aは映画の撮影で地方に居り
母親も隣町の友人宅へ訪問していて無事だったが
当時自宅に居た父親が、亡くなった。

自宅と父親を失った二人は、葬式をあげ
近くのアパートに引っ越すこととなった。

しかし、周囲はその傷口に、塩を塗り込んだ。





「放火したのは母親」





そんな噂話が出回るようになった。


小学校の1学期が終わるタイミングで
親子は逃げるように、埼玉に引っ越しをした。

しかし夏休みが終わる頃
蝉が鳴き、うだるような暑さの中
彼女の母親は、自ら命を絶った。



親を失ったAはまず、
大阪に住む父方の伯母に引き取られることになった。





この伯母家族は俗っぽい言い方をするならば
Aをいじめぬいた、と言ってよかった。


不必要な暴力を繰り返し母親と彼女自身を罵倒した。


芸能活動に関しても口出しをし
ここから約一年ほどAの活動は、ストップした。






しかしこれらの日々は、体中の痣を発見した、小学校教諭の
児童相談所への通報により終わりを告げた。





次に彼女を引き取ったのは母方の祖父である。

Aは、妻に先立たれていてから
ほとんど家事をしていなかった祖父に代わり
家のことを、全て負担した。



祖父は、その後体調を崩し施設に入居することとなった。

以後Aは、母方の親戚宅に移され
更に、その家すら数カ月で追い出され
また違う母方の親戚宅に引き取られたと言う。






この2軒での扱いは前までの2軒とは異なった。

暴力も暴言も、家政婦のような仕事もなかったが
誰も彼女に、関心もなかった。

ネグレクト、そう言った言葉で形容すればいいのだろうか。






この時点で、火事から一年半強しか経っていなかった。






.

それが君でした。愛し君でした。【琴子ママ】→←様々な想い引きずりながら【JK有島】



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設定タグ:関ジャニ∞ , 8人目 , 紅一点   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ゆうみ | 作成日時:2020年2月27日 11時

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