さよなら代役【8人目】 (ページ13)

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愛と歌居たいんだ【緑】ページ13

愛と歌居たいんだ【緑】

ツアーが決まり、アルバムが出た。

ずっとレコーディングしていてようやく出来たそれは
まさしく、俺達の子供のような存在である。

それぞれの、ソロ曲も出揃った。

Aちゃんのソロは、本人作詞作曲。

気合が入っていた。

とは言え結構深読み系の歌詞で
思わず本人にどんな意味か聞いたけど

「それは、聞いた人が決めることやって」

と、はぐらかされた。

題名は、『獅子よ今だけは』

何通りもの読み方が出来て、参る。

いつから、こんなに立派になってもうたんだか。

誇らしいような、寂しいような気がする。

さておきヤスのは、相変わらずヤスらしい。

諸々知ってるせいか、ヤスのラブソングは
みんな、Aちゃんに向けられてる気がして
何だかこっちが、恥ずかしい。

気付いてないから仕方ないねんけど
Aちゃんも、宙ぶらりんにせんと
いっそ一息に、行ってもうた方がええと思う。

変に、期待出来る余地があるから
辛いんと違うかな。

もし、ヤスはAちゃんが誰かに獲られて、
その誰かが自分の知り合いやったら
どう、折り合いつけんねやろう。

どうか、全日本小林A片思い連合(全小連)
所属OB会の誰も、現役に復帰しませんように

みんな、OBやし。
俺も、OBやし。

ま、この話はまた今度。

『許してあげるよ全部、全部
仕方ないから兎に落ちる
獅子よ今だけは

縄を飛び越し空を飛ぶ
傘に入って砂糖の如し
食べて壊して捨てって
弱さで魚を釣るつもり
いい加減にして
斧は自分で拾ってね

いい口紅は落ちないし
呪いもなかなか解けないし
夕焼けを見る眼はやめて
獅子の血に兎を探さないで

許してあげるよ全部、全部
仕方ないから兎に落ちる
獅子よ寒いのか

早く睫毛を数えたい
ママとパパの歌が途切れる
前髪の裏から勝利

満ちる水悲しみのサイズ未だ見ず
兎に見えてもその顔既にもう

左のピアス軽い脚
移りゆく声並んだ背骨
ねえ行かないで待ってて
追いついてみせる

悪魔の契約自己の錯綜夜の海
喪失の果て世界の詩
補助輪の赦し明かり見る
どちらが獅子か勝負しよう
私は負けないいざ参る

許してあげるよ全部、全部
仕方ないから兎に落ちる
獅子よあと少し

早く毛並みを揃えたい
ママとパパの歌は聴こえず
前髪の裏から確信

溢る水よろこびの地図あしからず
獅子に見えてもその顔既にもう』

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