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なんと楽観的な思考回路をしてるんだこの男。
いや確かにすごいんだけども。ありえん事を成し遂げてはいるんだけどそれでいいのかお前は。こいつ絶対後先考えないタイプだ。
『いや…す、すごいんですけど、大丈夫ですか…？異世界トリップなんて笑い事じゃ…』
「すげえ！海って異世界と繋がってたんだな。遭難したヤツらみんな違う世界にいるのかな。まさか俺たちとは違う世界が存在するなんてなぁ！」
ダメだこいつ話聞いてねえ。
『エースさん！感動してる場合じゃないですよ！
あなた、これからどうするつもりですか？』
「え？どうするって…？」
『どうやって来たのか分からないんですよね。帰り方とか、分かるんですか…？』
「あー、海におちる？」
『テキトー言ってますよね？』
「あ？本気に決まってんだろ？」
至極まともですみたいな顔をする彼。
だとしたら今頃異世界旅行産業でも発達してるし海難事故で人が死ぬわけないだろ。
彼は未だ異世界に来たという事実に興奮している。自分の置かれた状況に気づけていない。
『いいですか？帰れない、ということは少なからず帰れるまではこの異世界で生きていかなきゃならないってことです。
お金もない、知識もない、そんな世界でどうやって生きていくんですか』
「確かに…言われてみりゃそうだ。
…なぁA、しばらくここに置いてくれねェか、俺に出来ることは何でもする」
『………』
まぁ自然な流れだ。
彼には現状、私しか頼る人がいないのだからしょうがない。幸いにもうちには部屋数はあるし、彼が増えて文句を言う家族も今はいない。
けど。
『…無理です』
「ッ…ど、どうしてもだめか？」
『…何でもするって言いましたけど、じゃあお金を稼いでこいっていったら、あなたできますか？
残念ながらウチは私一人暮らしていくのに精一杯。あなたを養えるほどの財力はありません』
非情なことを言っている自覚はある。
それでも初めましての異世界人と自分の生活を秤にかければどちらに傾くか、一目瞭然のことだ。それに女の独り身、知らない男との共同生活には抵抗もある。
そっか…と見るからに覇気を失ったエースさんを見て罪悪感に苛まれる。
でも、彼にとってもうちじゃない方が幸せなのだ。
無理に家に居させて我慢を強いるより、もっとお金のある優しい人に保護してもらえれば幾分か安心して過ごせるだろう。
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葵(プロフ) - めりーさん» めりー様コメントありがとうございます。全部ありがたいお言葉すぎて感涙です…！今後とも楽しんで読んでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月13日 9時) (
レス) @page32 id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
めりー(プロフ) - 続編行くんですねっ！😆✨とても大好きで読ませてもらってます！文才がすごくて憧れます😌🙏💫応援してます🔥ꉂꉂ📣 (2023年3月11日 22時) (レス) @page46 id: 4d1819db53 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココ様！前作に引き続きコメントありがとうございます。笑っていただけて光栄です笑。これからの展開もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします。 (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様コメントありがとうございます。応援とても励みになります。これからもよろしくお願い致します！ (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵様こんばんは。新作早速一気読みしてしまいました´`* 私5話の｢あ。結構馬鹿だ、この人。｣が好きすぎてつい笑ってしまいました(笑) 夢主さんとトリップしたエースさんのこれからが楽しみで仕方ありません…!! 今作も応援してます (2023年2月25日 23時) (レス) @page5 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年2月23日 12時
