13日の金曜日、上裸の男が家にいた【ONEPIECE】【ポートガス・D・エース】

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『……は？』

「だーかーらー！海賊だっつってんだろ」



海賊ってあの映画であるやつだよね？ジャック・スパロウだよね？見たことは無い。
現代にも海賊っているのかな。海外にはいるのか。この人めっちゃ日本語だけど。

最初は意外と話のできる人だと思ったが、彼の話を聞けば聞くほどそうでもない。知らない単語が次々に出てくるわ、前提の常識的な観念が違うわ、会話はできるけど話は通じない。



『えーと…つまりエースさんは白ひげさんというすごい方が船長の船に乗っていた海賊で…ぐ……なんとかラインっていう海を航海中、釣りをしてたら怪獣に襲われて海に落ちた、と？』

「襲われてねェ！釣り上げたんだ！」

『あ、はい』




話をまとめてみたが一体何をまとめたのか1ミリも自分で理解していない。なんとかラインとは？白ひげって誰だ、すごく安直なあだ名だな。海の怪獣って何、鯨かなにかか。

完全に背中に宇宙を背負っている私にお前ほんとになんも知らねェんだな、と呆れているエースさん。え、これ私が悪いの？
これでも大学卒業した24歳ですが。



『うーん、私海外のことは詳しくないので。そんな海があるのもそんな方がいらっしゃるのも初めて知りました』

「親父を知らないなら俺の事なんて知らないよな。他の四皇のことも知らねェのか？」

『ヨンコウ……？』




海賊界にはとんでもない化け物が4人いるらしい。その人たちは新世界という海にいて、すごい勢力を持った方々らしい。

新世界って大阪になかったっけ？串カツ、たこ焼き、お好み焼き。

その他にも海軍だのレッドラインだの私の知らない単語が飛び出すぎてもう頭が痛い。



「ここは新世界の島か？」

『少なくともここは大阪ではないです』

「オーサカ？なんの話してんだお前」

『えーっと…ここは日本です、ジャパン。分かります？』

「…いや、知らねェ」

『んんん…』




海賊さんは自分のナワバリしか興味が無いのだろうか。日本、そんなマイナーな国じゃないと思ってたけど。
話じゃ一向にわかってもらえなさそうだったので地図を見せようとスマホを開くと彼からまた思いがけない一言が。



「なぁ、それなんだ？」

『え？…こ、これですか？』

「それ以外ねェだろ」




え。
今どきスマホを知らない若者がいるなんて。海の上では使わないのだろうか、文明の利器だぞ勿体ない。

だが心底物珍しそうに見るその目からとても嘘とは感じられず本気なんだ、と逆にこちらが驚かされた。

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