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私の早歩きなど、エースの足の長さにかかれば数歩で追いつけるものでとても恨めしい。
そんな彼は嬉しそうに私の横を歩いていた。
「なーあーA！あれ乗ろうぜ！」
『調子乗んな』
「あたっ、どうしてもダメか？」
『だーめ！乗るのもタダじゃないんだから！』
「なんだ、タダじゃねェのか。なら仕方ねーか」
意外とあっさり引いてくれるあたりお金の大切さは身に染みているようだ。
観覧車に乗りたい、だなんて可愛らしい願いだ。昔は乗りたくて仕方なかったあの大きな遊具も大人になるにつれて見向きもしなくなってしまった。
「おとーさん！観覧車に乗りたいー！」
「んー今日だけ特別な！ママには内緒だぞ？」
「やったー！おとーさん大好き！！」
_ぱぱだいすきー！
_ぱぱもAのことだいすきだぞー！！
近くを通った親子の会話がたまたま耳に残った。
5歳くらいの女の子と優しそうな父親、仲睦まじそうな親子の姿は私の視線を攫った。
私もあの歳くらいの頃は、両親と遊園地に行ったこともあったっけ。
「おいA！どうした、急にぼーっとして」
『…観覧車、乗りたい？』
「え？いや、いーよ。金かかるんだろ」
『なかなかこんなところまで来ないし、こんな機会じゃないともう乗る時もないだろうから。今日だけ特別ね』
「お前さっきのガキみてェに俺を扱ってねーか？」
『で、乗りたいの？乗りたくないの？』
「是非とも乗らせて頂きたいデス！」
1人800円かぁ。2人で1600円…
いかんいかん、そんなことばっか考えてたらせっかくなのに楽しめない。
何年ぶり、いや何十年ぶりだろう。
ゆっくりと回ってきたゴンドラに2人で乗り込み、少しづつ上昇していく。
果てしなく続く海と反対側には東京の街が遠く広がっている。エースははしゃぐかと思っていたけど以外にも大人しく海を眺めていた。
「綺麗だな」
『え、うん。確かに…』
雲の合間から途切れ途切れに顔を出す陽光が波に反射して煌めいている。それが果てしなく続いていて揺らめく光の絨毯のようでとても綺麗だった。
もうすぐ頂上付近だ。高さと海風のせいでゴンドラが少し揺れている。
「にしても遠くまで見えるんだな、Aの家どっちだ？」
『流石にわかんないでしょ。方向的にはあっちの方…』
バンッ
「うおっ！？」
『へっ！』
どんっ
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葵(プロフ) - めりーさん» めりー様コメントありがとうございます。全部ありがたいお言葉すぎて感涙です…！今後とも楽しんで読んでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月13日 9時) (
レス) @page32 id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
めりー(プロフ) - 続編行くんですねっ！😆✨とても大好きで読ませてもらってます！文才がすごくて憧れます😌🙏💫応援してます🔥ꉂꉂ📣 (2023年3月11日 22時) (レス) @page46 id: 4d1819db53 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココ様！前作に引き続きコメントありがとうございます。笑っていただけて光栄です笑。これからの展開もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします。 (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様コメントありがとうございます。応援とても励みになります。これからもよろしくお願い致します！ (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵様こんばんは。新作早速一気読みしてしまいました´`* 私5話の｢あ。結構馬鹿だ、この人。｣が好きすぎてつい笑ってしまいました(笑) 夢主さんとトリップしたエースさんのこれからが楽しみで仕方ありません…!! 今作も応援してます (2023年2月25日 23時) (レス) @page5 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年2月23日 12時
