=47= ページ9
1年後
『ほわぁぁぁぁあ！？』
ニュース・クーの新聞に挟まってきた手配書を見て思わず大声を上げてしまった。
「どうした、アイリン。お前さんがそんなでけェ声出すなんざ珍しいな」
『こ、こ、これ…これェ！！』
「あ？手配書？
こいつァ最近イーストブルーで暴れてるってルーキーだろう。こいつがどうした」
『お、おと…弟なの！！この子、私の！！』
「は？」
エースの手配書はルーキーにしてはなかなか高額な賞金額だった。
同じく新聞に載っていた記事には彼は能力者になっていて炎で軍艦を沈めたとか。あの小さな野望を掲げた少年が今や世界におわれる海賊になって、それを叶えるための1歩を踏み出した。
元気そうだね、エース。
私はその手配書をグッと胸に抱きしめ昔の記憶に思いを馳せていた。
「そういえば昔そんなこと言ってたか。故郷に弟が3人いたって」
『そう！その中でもいっちばん言う事聞かないのがこのエース！あ、いや、ルフィもなかなかだけど…』
「姉弟そろって海賊とはねェ」
『まぁ昔からずっと海賊になるって夢だったから』
「お………じゃあお姉さんよ。
弟の手配書もいいがこっちの手配書はもう見たかい？」
『え？なにそ、れ……
わぁぁぁぁぁぁあ！？』
「お前さんもついに賞金首だねェ」
『嘘…5000万ベリー…！？目立たないようにしてたはずなのに…』
「いや、この前軍艦ひとりで1隻沈めたろ。むしろ安いくらいだな」
『いやぁ！もういい！いらない！！』
イゾウさんが持つ手配書にはイラストと賞金額がのっている。名前のところも“黒フード”となっている。
「折角逃げネズミなんて手配書はもうばら撒かれることが無くなってきたってのにどうやらまた追われる身に戻っちまったな、黒フードさんよ」
『…うぅ……』
でも、言うほど悪い気はしなかった。
確かに追われるのは散々だ。理想はもう海軍にも政府にも追われたくはない。
イラストに描かれた黒フードの白ひげマークを見て思う。
親父の名前を背負って戦うっていう私の覚悟。この“黒フード”で存在を広められるなら悪くはないかもしれない。
「アイリン？」
『私、エースのと私の手配書親父に見せてくるー！』
「あ、おい」
この“黒フード”の名前なら幾らでも暴れられる気がした。
果てしなく広いこの海に親父の偉大さを知らしめてやる。勿論、エースにも。
親父の部屋に走る私の足取りは軽やかだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
