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イゾウさんは出会った時からずっと本当の兄のように私を想ってくれる、だから甘えてしまう。
けど、
『イゾウ……や、隊長』
「なんだ、改まって」
『私、やっぱりこれからはイゾウのこと、隊長って呼ぶよ』
「…どうした」
イゾウはみんなに尊敬される隊長だ。
隊員のみんなはイゾウの事を隊長と呼ぶ。
これからはただの兄妹じゃだめだ。あくまでも上司と部下の関係にもなるんだ。
部下の私が呼び捨てのままじゃ隊長のカッコがつかない。
「そんなこと…どこの隊に入ろうがお前が妹であることに変わりはねェだろ」
『私が気にするの。もう私は副隊長なんだよ！隊長を立てなきゃいけない立場なの！
私が今までの態度と同じじゃだめなんだよ、隊長』
歳にそぐわない端正な顔を納得いかないと歪めるイゾウ…隊長。
「気に入らねェなァ」
『なんで！』
「…可愛い妹なんだ。名前くれェ呼んでくれてもいいだろう」
少し目線を外しながらボソッと口に出した彼は見たことの無い少し気恥しそうな顔をしていた。
は、ずるい。
39歳この顔は反則では？口に出したら怒られそうだから堪えるけど。
ずきゅんと撃ち抜かれポカンとしているとさらに恥ずかしそうな顔をして、ここで黙るんじゃねェよ、と片手で顔を覆うイゾウ。
は、かわいいな？おい
でも確かに名前呼ばれないのは寂しいかも。
私もイゾウには名前を呼んで欲しいと思う。
でもだからってイゾウ隊長だとちょっと長いからやなんだよな。
『イゾウさん』
「最初に戻ってんじゃねェか」
『最大限の譲歩だよ！これ以上は譲れない！
それに、最初の頃とは
呼び方なんていくら変わったって私がイゾウさんを想う気持ちは変わんないか、ら……』
何も考えずに口を出た言葉だったが自分の言葉を理解すると穴に埋まりたいほどの羞恥心に駆られた。
想うっていうのはもちろん兄妹として、親愛としての意味ではあるけどなんか！言葉的に！恥ずかしい…！
フードで顔を隠し、膝を抱き頭を填めているとその上に柔らかい圧が乗った。
「はぁ…俺の負けだ。分かった、お嬢の好きに呼べ。
ただ、名前は呼んでくれ。お前に名前を呼ばれねェのは、ちと寂しい」
部屋を出るまでそのなんとも言えない空気は続いた。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
