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はぁぁ…と息を吐くと、サボは顔を上げた。
「ダメかァ…ま、だろうな。分かっていたさ。
でも俺はずっと好きだから、いつでも待ってる」
断られたというのにサボは眉を下げて笑っていた。
惜しいなぁ。本当にイケメンに育って告白してくれるなんてもう叶わないと思っていたのに。サボがもし本当にエースより先に告白してくれていたら私は受けてたのかな。
分からない。
でも少なくともこの選びとった現実こそが運命なのだ。たらればはどこまで行っても幻想を超えることはない。
『て訳でエース、私はもう少しこっちでエースの女名乗ってるから。そっちで目移りしないでよ？』
「て訳でな、エース。俺はアイリンのこと諦めないからな。いつかアイリンの気持ちが変わったら奪うから覚悟しておけよ」
2人で顔を見合わせると何だかおかしくて同時に吹き出してしまった。
『でも、革命軍にだって可愛い女の子のひとりやふたりいるでしょ？うちみたいな男所帯の海賊とは違って』
「女の子はいないことはないけど…でも俺はアイリンしか眼中にないからなんとも思えないな」
『勿体ないなァ。せっかくこんなにイケメンに育ったのに。こんな顔の半分がないような女よりいい娘はきっといるよ？』
「…アイリン」
なぁに、と隣を見るとさっきまで笑っていたサボが真剣な顔でこちらを向いていた。
「俺の好きな人を馬鹿にするなよ？
アイリンは、世界で1番綺麗だ」
『ッ……！』
-世界一綺麗だな！
『…あんたたちはホントに………ッ』
誰も綺麗だなんて言わないでしょうよ。こんな顔。
目すら潰れて右側の顔が溶けてるような女、人に怯えられても好かれることなんてないだろうに。
サボの言葉がエースの言葉に重なったからか。サボの声に一瞬エースの声が重なった気がした。
「アイリンは、顔も心もずっと綺麗だ。お前自身にも馬鹿にさせねェぞ」
『……あり、がと……ッ…』
ふわっと優しく吹いた風が髪を吹き右側が晒された。でも、サボはその爛れた頬に手を滑らせ愛おしそうな目で私を見つめた。
この弟たちは私を愛しすぎてる。
いつか甘やかされて溺れてしまうのではないかと思うくらいに。
でも今はその甘いほどの優しさに溺れさせて欲しい。
そして私もまた彼らを愛しすぎているのだろう。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
