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ドアを開いたマルコは随分とやつれていた。
私を助けてくれたのはマルコなのだろうか。
私よりもおぼつかない足取りてま私に近づいてくる。
背を向けていた身体を彼の方に向け直すと倒れ込むように抱きついてきた。
支えきれずにベッドに座り込んだがマルコはただ黙って私を強く抱き締め続けた。
マルコが1度部屋を出ていくとまたドタドタと足音が聞こえてくる。
開かれたドアの先にはイゾウさんがマルコと同じように力なく歩いてきて私を腕に閉じ込めた。
「アイリン…ッ…！！アイリン………ッ」
その縋るような声にも私の心は感情が抜け落ちたように無反応だった。
2人が泣き腫らした後、すぐにマルコの診察を受けた。
ひと通り終わると2人はベッドの横の椅子に腰かけ、私が死んでいた時のことを教えてくれた。
ティーチたち、黒ひげ海賊団が現れ親父が殺され、能力を奪われたこと。
シャンクスたち、赤髪海賊団により戦争は集結されたこと。
トラファルガー・ロー率いるハートの海賊団がルフィとジンベエを保護し海に消えていったこと。
この島の外れにエースと親父の墓があること。
白ひげ海賊団の生き残りはこの島の中でバラバラに暮らしているということ。
『…じゃあ、エースも親父ももう居ないんだね』
「…あァ」
私は結局何をしに行ったのだろう。
エースを守れず、親父も失い、ティーチにさらなる力をつけさせて逃がす。
私今、なんのために生きてるんだろう。
『私を助けてくれたのは誰？』
「…俺と傘下の海賊たちの船医たちだ」
『…そっか。
せっかく助けてくれたのにごめんね。
私今、ありがとうって、言えないよ…』
あの時エースの隣で死ねていたら…
「俺を恨め、アイリン。
マルコにお前を生かすよう頼んだのは俺だ。
俺のエゴで、わがままだ。
お前には残酷な世界しか残されていないとわかっていながらそれでも俺はお前に生きていてほしかった。
お前が幸せになれなくても、生きていてほしかった。
だから、俺を恨んでくれ。
でも俺はアイリンを生かしたことを間違いだとは思わない。
頼む、もう少しだけ生きてくれ」
簡単に恨めたら、どれほど楽だろう。
そんな辛そうに話すなら死なせてくれればよかったのに。
でも立場が逆なら私も同じことを願うのだろう。
人間が苦しむのは自分の死より大切な人の死だ。
涙の枯れ果てたらしい私には泣くことも恨むことも出来ずただただ残った左手を見つめた。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
