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アイリンとエースが死んだ。
絶望的な光景を頭は受け付けようとはしなかった。
2人は手をぎゅっと繋いでいてお前ら大好きだな、と場違いなことを思った。
「アイリン！エース！！」
顔面蒼白なイゾウが2人に駆け寄り泣いている。目の前で兄と姉を失ったエースの弟も正気を保てず白目を向いて泣いていた。
だのに、どうして俺は涙のひとつも出てこないんだよい。
「マルコッ！！
アイリンはまだ生きてる！！
頼む、お前の力ならまだ助かるかもしれない！！」
その声に我に返り弾かれたようにアイリンに近づき脈をとると確かにまだかすかにあった。
これで生きているのが不思議なくらいだ。
しかし、
「……イゾウ、ここを生き延びることがアイリンにとって幸せな事なのかよい」
エースとアイリンの眠ったような顔はあまりにも安らかだった。
仮にアイリンがこの場を生き延びたとして、本当にそれが幸せなのか。
エースも親父もいない。
その上この大怪我。命を取りとめても失った腕や目は戻らない。
それでもアイリンを生かすことが正しいことなのか俺には分からなかった。
「ッ幸せじゃなくてもいい！！嫌われて、恨まれてもいい！
それでも、まだ命があるなら！
俺はどうしてもこいつだけは、アイリンの命だけは諦められねェ！！」
長い付き合いだがここまで涙を流し、必死なイゾウを見たのは初めてだった。
その言葉が深く胸に刺さった。
嫌われてもいい、恨まれてもいい。
ただ生きていて欲しい。
「…恨まれるなら、俺も一緒だよい」
「マルコッ…！！」
「まだ生きてくれるかは分からねェ。
誰かアイリンを運んでくれ！あと医者を、できる限りの処置を尽くしてくれ！それで死んでも文句はねェよい！」
何より辛かったのはその後だ。
「……エース、すまねェ…ッ！！」
2人がぎゅっと結んでいた手をほどかなければならなかった事だ。
その時にやっと視界に滲み、エースに水滴が落ちた。
お前ら二人を幸せにしてやれなくてごめんな。
そしてなんとか俺達も戦線を離脱。
アイリンと合流した時、彼女はかろうじて命は残していた。そして俺を含め懸命な医師達の処置の賜物か、アイリンは生き延びた。
持ち前の回復力で傷もどんどん治っていったが、意識だけは全くと言っていいほど戻る兆しが見えなかった。
そして、さらに3ヶ月の月日が過ぎ去った。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
