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目を覚ますと知らない天井と知らない部屋が見えた。
さっきと違ってとても現実味のある景色に止まっていた思考をゆっくり動かし始める。
私、さっきまで白と赤の続く世界にいて…エースに突き飛ばされて…崖から……
体の痛みはほとんどなかったが、体を起こそうとしてひとつ気づいた。
自分の右手は肩から無くなっていた。
代わりに左手を何回か握って開いて繰り返してみると自分の思い通りに動いた。
…死ねなかったのか。
左手1本で体を起こすと部屋の様子が見て取れた。
普通の部屋だ。ものはあまり置いてないからここにいるのは私だけのようだ。
壁に掛かっている時計は5時を過ぎたところを指していた。朝か夜かも分からない。
ゆっくりと体を動かしてベッドを降りる。久しぶりに体を動かしたせいか少しよろけたが両足はしっかりと機能を果たしていた。
カーテンを開くと、まだ外は薄暗かった。
そのせいで窓は鏡となり、自分の姿が浮かび上がった。さっきよろけた原因もわかった気がした。
私は顔の右側が無かった。
大きな火傷跡が顔の右側をおおっていた。
右目は潰れ、忌まわしき口をさかれた傷とともに私の顔の半分は見るも無惨に焼け爛れていた。
なんて酷い顔。
自分の顔だと思うにはあまりに現実感がなくてどこか他人事のように思えてしまった。
そういえば、赤犬の攻撃を受けた時右手は溶けて顔にもマグマがかかったっけ。
ただ黙って窓に映った自分を見ているとじわじわと窓の向こうの空が白んでいく。
ここは２階らしく遠くに海が見え、少しづつ顔を出す太陽がキラキラと水面を輝かせている。
憎いくらいの綺麗な朝焼けだった。
その美しさに少しでも近づきたくて窓を開けるとひゅうと冷たい風が吹き抜けドアをカタンと揺らした。
その直後ドアの向こうが急にドタドタと騒がしくなった。
そして勢いよくガチャッとドアを開かれた時、また再び風が強く私の髪をまきあげた。
ゆっくりと振り返れば乱れた髪の隙間から見慣れたパイナップル頭が見えたのだった。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
