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世界の果てにて ページ10
ここはどこだろう。
地獄ってやつにしちゃ、随分と真っ白な世界だ。
彼岸花が狂い咲いている。
ここはあの世の入口かどこかだろうか。
エースはどこだろう。
一緒に来たはずなのに、結局私一人なのか。
果ての見えない彼岸花畑を掻き分けて歩いてみる。
太陽がある訳でもないのに明るく、どちらが前でどちらが後ろかも分からないがとにかく歩く。
でも自然と、なにかに引き寄せられるように真っ直ぐ歩いた。
『エース！』
遠目にエースが見えた。
名前を呼ぶとこちらに気づいたのか笑ってこちらを見て口を開いた。
え？
『聞こえないよ、エース。何？』
何かを話しているはずのエース。近づいても近づいてもその声は耳に届かない。
そこでこの世界の音が何も聞こえないということを理科した。全くの無音。さっき歩いていた時も自分の足音すら聞こえなかった。
『エース…聞こえないよ…なんで……』
エースの元までたどり着くと彼は私の元まで駆け寄ってきた。
そして両肩を掴むと真剣そうな顔で何かを伝えようとしてくる。
何？分からない…
何か嫌な予感がする。
最後に寂しそうな顔で笑うと私を後ろに突き飛ばした。
『え』
歩いてきたはずのそこに花は1輪もなく、代わりに闇を飲み込むほどの暗がりが広がる。
崖から落とされたようにその暗がりに飲み込まれ、私は意識を手放した。
To be continued…?
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月12日 8時
