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「ボルサリーノを1度倒した程度でわしに勝てる思うちょるんか。調子に乗るな」
『じゃあ、調子に乗せないように頑張って下さいよ。
ま、私程度の初撃をまともに食らっちゃうような海軍大将相手じゃ調子乗らない方が無理な話』
「火拳とドラゴンの息子を始末出来れば貴様は見逃してやろうと思っちょったが、わざわざ死にに来るとは。馬鹿の娘はやはり馬鹿か」
『あっはは、私も親父を馬鹿にすれば挑発に乗ると思った？
残念、親父のことを何も知らねェやつがべらべらと何を言おうが響かないね。
あんたこそ、エースを1発殴った程度で調子乗ってんじゃないの？』
嘲笑うように吐き捨てればピクリと彼の眉が動く。
『そうやって私やルフィを舐め腐った結果がこのザマでしょ？』
「小娘が。わしを煽っちょるつもりか」
『事実。圧倒的兵力差にホームでの戦い、エースを処刑するタイミングは２回も逃した挙句最近でてきたばかりのルーキーにエースを解放された。
敗北者は一体どっち？』
ごぽごぽと彼の両手がその感情を表すように煮えたぎっている。
怖くないわけない。
でも、目の前のこの男よりも世界でいちばん愛した人たちを失うのがもっと怖いから。
ここにまだ立っていられる。
「そうさせんためにあの兄弟は消しとかにゃならん。貴様に構っている暇は無い、退け」
『退く気がないのがわかりません？弟らに手ェだすなっつってんだよ』
「また弟…ッ！貴様もか！つくづく忌々しい姉弟じゃ。
だが、海賊王と革命家の息子の姉が貴様のようなネズミとは。
天竜人にこき使われ傷つけられ、せっかく逃げたというのに海賊なんぞになってここで死ぬ。
弟たちとは比べ物にならんほど憐れで情けない人生じゃのう。
せいぜい来世に期待しちょれ」
息を吸うように冒涜をする人間だな。
エースとは真逆のような私の大っ嫌いな人だ。
良心までマグマで煮込んで溶かされたような、こんな人間が人の上にどうして立てるのだろう。
『来世か。
そんなものがあるなら期待したいね、またみんなに会える来世を。
来世だけじゃない、私は何度だって
親父の娘になる。
マルコたちの仲間になって、イゾウさんの部下になる。
ルフィたちのお姉ちゃんになる。
何回だって私は、エースを好きになる。
私の幸せをてめェが勝手に憐れむなッ！！』
マグマの拳と透明な拳がぶつかり合う。
私は全身を霊に変えて赤犬との真っ向勝負が始まった。
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月12日 8時
