これ以上ない恩返し ページ17
ゾウに来てから数日が経った。
ポーネグリフを見せてもらったり、ジャックの2度目の襲撃を受けたりしたが私たちはついにワノ国へと出航した。
ローの船は潜水艦と話は聞いていたが実際に見てみると新鮮な気分だった。船内は案外広かった。密閉空間では手狭に感じるかとも思ったが十分な部屋数も面積もあった。
「お前ら準備は？」
「アイアイキャプテン！もうできてるよ！！」
「上出来だ。お前らは絶対にこの部屋から出るな、汚すな、騒ぐな。分かったな」
「トラ男くんはどこに行くの？」
「俺はこれから大事なオペがある。
覚悟は出来てるな、アイリン」
『！』
確かに船に戻ったら治してくれると約束した。まさかこんなに早くその時が来るとは思ってなかったけど。
もう2年まともに動かせなくなった足。
足の動く感覚なんて忘れてしまった。
ローの腕をぎゅっと掴み彼の目を見返した。
『…よろしく、お願いします！』
「あぁ、任せろ」
手術室はかなり広かった。
医療の知識は無いが設備は本物の病院のそれとなんの遜色もなさそうだ。
手術台に横たえられ、いよいよかと少し緊張する。
「麻酔だが、足の手術なら全身麻酔じゃなくても局所麻酔で対応できるがどうする？局所麻酔の方が全身への負担は少ないが意識がある状態での手術になる。
自分の足が切り刻まれてるところ見てみるか？」
『ッ全身麻酔でお願いします！』
これから執刀する医者とは思えないような悪魔の笑みを浮かべるロー。その姿は怯える私とは対照的にどことなく楽しそうだ。
死の外科医とはよく言ったものだ。
麻酔をするにあたっていくつかの注意事項とか確認事項を話される。
「説明は以上だ。不安なことはあるか？」
『…大丈夫』
「アイリン」
名前を呼ばれ顔を上げると目の前にはローの体、額に少し温かみを感じた。
それがキスだと気づくまで数秒、ぼふっと私は顔を赤くした。
「怖がらなくていい。次目が覚めた時は歩けるようになってる、大人しく寝ておけ」
大きな手を頭に置かれ小さな子を諭すような声をかけてくる。その顔にはもう悪魔はいなくてふっと息をついた。
『…大丈夫だよ。ローのこと、信じてるから』
「あぁ。
じゃあ始めるぞ。麻酔から…」
喉の奥までチューブを挿管される。
ローの鋭い医者としての眼光を見たのを最後に私はふっと意識を飛ばした。
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葵(プロフ) - 桜日和さん» 桜日和様コメントありがとうございます！どうくっつけるか迷いに迷いましたが無事2人を結ぶことが出来ました！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2023年1月10日 14時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
桜日和 - コメント失礼します。おめでとう。彼女ちゃん。ロー。 (2023年1月7日 11時) (レス) @page36 id: ae0b8a4349 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - つばめさん» コメント再びありがとうございます！他のキャラとも少しですが絡むエピソードは考えていますので今後もお楽しみいただけたらなと思います！お読みいただいてありがとうございます！！ (2023年1月2日 0時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - ローさすがキャプテン最高 次も楽しみにしています ルフィ，キッド達も皆自由に動いてしまいますから彼女とロー他のクルー達が揃えばココだけは有る程作戦や指示に従える人達ですので他海賊記載は難しいかもですが頑張って下さい (2022年12月29日 11時) (レス) @page27 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - つばめさん» つばめ様前作に引き続きコメントありがとうございます！前作では戦闘シーンが多かったので今作では色んなキャラと絡ませたりローと彼女ちゃんの絡みが沢山かけたらなぁと思ってます。これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月17日 16時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2022年12月6日 10時
