13.逃げられない理由 ページ16
『ロー！』
「アイリン…」
優しく、でも確かに強く私を抱きしめるロー。
存在を確かめるように。ぎゅっと。
彼の胸に頭を抑えられて顔は見ることが出来なかったが生暖かい水滴がひとつ頬に触れた。
驚きで一瞬引っ込んだが、その温度に涙が一筋だけ流れ、私もローのたくましい背中をきゅっと抱き締め返した。
ただ、そんな私たちを黙って見守ってくれるような状況では勿論なく
「トラ男！何やってんだ？」
「んばぁ！ロー！こんなことしてタダじゃ済まさねえぞぉ！！」
「…おい、ロー。殺されたくなきゃアイリンを離せ。今すぐになァ」
空気の読めないやつが約1名いれどここは一応戦場。
そんな甘々な優しい空気になる訳もなく。
もはや最後のひとりは天をも動かしかねない禍々しい空気を醸し出している。
「アイリン！今すぐ逃げろ！俺も必ず後で行く！
とにかくお前は先に下に降り」
どさっ
『ッあ……っう…！！！』
「は、お前…その足……」
ドフラミンゴの禍々しさに少し焦りアイリンの手を引き逃がそうとしたロー。
しかしアオイは引っ張られた勢いのまま立つことも出来ずそのまま地面にへたりこんでしまった。
そしてそこでアイリンのはだしの足に見えた痛々しい傷。
「だから言っただろう。
アイリンはお前をずっと守ってきたんだ。自分を犠牲に。
考えたことは無かったか、ロー。俺はてめェみたいなガキひとり消すなんざいつでも簡単に出来た。
だが今日まで、お前がここに来るまで俺が手を出さなかったのは何故か。
アイリンとの‘’契約“があったからだ。
フッフッフ…アイリンは自らの自由と引き替えにロー、お前の自由を選んだ。
自分の両足を犠牲にしてなァ！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - つばめさん» つばめ様コメントありがとうございます。続編でゾウ編やワノ国編も少し書けたらなと思っていますのでよろしければ今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月6日 10時) (
レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - 読んでいて楽しいです この後の彼らの絡みやゾウ編ワノ国百獣海賊との決戦編などいろいろ見たいです (2022年12月5日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 朔さん» 朔様コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しい限りです！今後ともこの作品を何卒よろしくお願いします！！ (2022年12月3日 8時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - はじめまして！とてもおもしろいです！続きがすごく気になります！無理のないよう、これからも更新頑張ってください！応援してます^_^ (2022年12月3日 0時) (レス) @page41 id: e897ea96c1 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - うささん» うさ様コメントありがとうございます！とってもありがたいお言葉励みになります！今後ともこの作品をよろしくお願いします！ (2022年12月1日 8時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2022年11月16日 19時
