# ページ6
オレは思わず絶叫してしまった。 こいつは、入学式でダチが好きだわ……とヨダレを垂らしていた奴だ。 オレのダチに関わらず、何人も好きだわー……とヨダレを垂らしいた。勿論オレはその一人には入らねぇ。こんな美人好きじゃねぇし。
「フフフ、声を低くして正解だったよ……！ ねぇ友ちゃん呼びおけ？」
「な、なんでっすか。 嫌っすよ……」
怪しく笑いながら言うシュウマイだが、声をわざわざ低くしてオレを騙しやがって腹が立つ。
しかも友ちゃんとか呼ばれたら恥ずかしすぎるだろうが。やめてくれ。
「ここはカズりんっしょ」
アナタシア先輩が片手を上げて主張している。
カズりんかぁ……。 何だかドキドキしてくる。 そんな風に呼ばれた事はないからな、余計緊張とは違うドキドキが襲ってくる。
「あ、この顔では無しか」
「そうだね〜、お得意のあだ名付けお願いしますよ」
まぁ別にカズりんとか呼ばれたかったわけじゃねぇから良いのだが、何だこの気持ちは。
でも何だかあだ名を付けてくれるらしいな、何だろう。
「やっぱ友だろ？ 友…、フレンド…、フレンドー……フレ……あっ！」
アナタシア先輩はしばらく考え込んでから紙を持ってこい！ と支持する。
「言っておくがこの部に入ると決まれば、このあだ名に拒否権は無し！」
その言葉に思わず息をゴクリと飲んだ。
なんでだか分からないが緊張してきた。
シュウマイが持ってきた紙を受け取り、アナタシア先輩はふぅ、と息をはくと、サラサラと書き始める
書き終わったようで、こっちに見せてきた
“フレかず”とでかく書かれている。
「どうかな…？ 拒否権なし！ ヨロシクじゃあフレかずくん！ 入部届にサイン！」
いきなり付けられたあだ名に突きつけられた入部届。
何だか約束なんてわすれるくらいオレはこれからおこる未来が楽しみでしょうがなかった。
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