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仮入部の日。
オレは奇跡的にいたダチ公と雑談していた。
「にしてもあのニセ野球部だとか、なんだアレ?」
坊主頭をポリポリかきながらオレの机に体重を乗せてきた。
オレはため息を一つしてから、少し目線をそらして恥ずかしいが言うことにした
「オレそこ入ろうと……」
「ま、マジかよお前!? 」
ガタンッとオーバーリアクションをして目を丸くしてきやがったので、うるせぇ! と怒鳴った。
まぁコイツいつもオーバーリアクションだから慣れてはいるが、いちいち腹立つんだよ……
コイツの事だから野球部に入るんだろうな。 お前は強いから頑張ってくれ。スマン。
「なんだよ、お前甲子園行こうって!!」
「し…、知るか! オレはこんな未来が見えねぇ野球部に入る気なんてサラサラねぇよ! テメェは一人で夢見てろ!」
オレは気付くと教室のドアを乱暴に開けて廊下に出ていた。
なんでオレはこんなに素直になれねぇんだよ。 オレの馬鹿野郎。
甲子園なんて……アイツなんて……
「クソじゃァァァァァァ」
オレは仮入部の紙を片手に握りしめて走った。
それと共に仲間も失ってしまったのである。
「あ、あん?……部室どこじゃゴラァァァァァァ」
部室の場所が分からないじゃねぇか! とりあえずここらへんをうろちょろするしか無いのか……?
そこに、ちょうど曲がり角をまがったら男の優しそうな先輩があるいている。
よし、こうなったら……
「あの、先輩。ニセ野球部って……」
オレはしょうがなく勇気を振り絞って言うことにした。
すると、言い終わる前に先輩は目を丸くした。アイツの顔を思い出しちまってなんだが胸糞わりぃ。
「もしかしてあの変態部に!? やめたほうがいいよ、アソコ全然野球やらないよ!? 野球部なら校庭に……」
苦笑いを浮かべてやがる。 相当人気ないのだろう。 だが、変態部ってなんだ。きになるじゃねーかよ。
「だから、野球部じゃなくてニセの方に!!」
先輩はまた驚いたが、やれやれというように教えてくれた。
ーーー二階の一番奥。 最初は集会所として使われていたが、少子化やほかの高校に入る人が増えたせいもあり、あまり使われなくなっていたところ、ニセ野球部の部長が使わせてと校長に相談して承諾されたらしい。
ここだ。
❝ニセ❞は小さく書かれ、その横にデカデカと❝野球ぶ〜に是非入部しろ!!❞と書かれたポスターの様なものがはられてある。
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