【ハイキュー】愛しいあの子に狂いたい！！【逆ハー】

アドラーズとあの子 ページ8

MSBYブラックジャッカル、合宿3日目。
この合宿のメインイベントは間違いなく今日行われるシュヴァイデンアドラーズとの練習試合である。
Aを含めたMSBYサポートメンバー達はプロチームが試合をするのに申し分ない設備を整える準備に追われ朝から大忙しだった。
徹底的に整備されたコートでは既にMSBYのトレーナー達だけでなく、アドラーズのトレーナー達もちらほらと試合の準備を始めていた。

Aも彼等と共にベンチで自身の仕事であるマッサージケアに必要な物品のチェックをしていると、主将の明暗に呼び止められた。

「A、ちょっとえぇ？」
『はい！どうかされましたか？』
「いや、もし手が空いていたら控え室におる選手達を呼んできてほしくてな。そろそろチーム全体でのウォームアップを始めたいんやけど、俺はこれから監督とミーティングがあって…」
『わかりました！ちょうどチェックが終わったところだったので、呼んできますよ』

誰がコートにいないんだ？とAは広いコートを確認した。
主要メンバーのみなさんは大抵いる…。トマスさんとバーンズさんはそこで話し合ってるし、犬鳴さんもストレッチしてる…。あれ、あの騒がしい同世代達の姿が見当たらない。

『もしかして、その選手達って翔陽達4人ですか…？』
「そうそう！いやー、悪いな！でもあの4人の扱いは俺なんかよりAの方がずっと手慣れてるやろ」
『はは…』
同世代達が御迷惑お掛けして申し訳ないです…。と何となく思いながら曖昧に笑う。

「ほなよろしく頼むわ。妖怪達のブリーダー！」
『その渾名、私認めてないですからね！』
頼んだ！と背中を強く叩かれ、その痛みに耐えながらAはコートを出た。




『はー、もう…翔陽達何処に行ったんだ…』

Aは彼等との付き合いから、彼等が控え室で試合をじっと待っているような人物で無いことは理解していた。もしかしたら佐久早さんはいるかも、と思い一縷の望みを持って控え室のドアを開けたがそこには案の定誰もおらず、Aは天を仰いだ。

思えば烏野高校でトレーナーやってるときも往々にしてこういう事があったな…。
Aはふと昔のことを考える。

翔陽を探しに体育館やスタジアムの中を探し回ると大抵彼はきまってお手洗い前で試合相手と相対しているのだった。あれはもう一種の恒例行事的なものだったのかもしれない。

じゃぁ今回も…？
探すあての無いAはほんの期待を胸に、手洗い場に歩を進めることにした。

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