MSBYとあの子 5 ページ6
「「『いただきまーす！』」」
両手を合わせ、元気な挨拶をするAと木兎と日向。
後者二人はそれを皮切りに目の前の山盛り白米をかき込み始めたので、対面に座る侑はそれだけで腹がいっぱいになりそうだった。
「よく練習終わりにそこまで食えるでほんま…」
「ふぁみ、ふぁーはふ、ふぁあひふぉが？」
「何言うとんのかなんもわからんわ。飲み込んでから喋れや」
リスのように頬いっぱいに飯を詰め込んだ木兎が侑に何かを言うが、一言も理解できないと侑は首を振る。まぁどうせ大したことやないだろうしえぇわ、と侑は自身の隣に座る佐久早にそっと視線を向けた。
「A」
『ん…、待ってください、飲み込むので。…。はい、どうしました？』
「除菌シート、くれ」
『あぁ、はい。どうぞ』
「ん」
未だ食事に手をつけずマイペースにAに除菌シートを要求する佐久早。
Aは慣れた手つきで、腰に巻いたポーチから言われたそれを取り出して佐久早に渡す。
佐久早もそれを満足そうに(一見表情の変化は無いが口角が少し上がっており、Aを見る目がひどく優しいそれであるのを侑は視認し心の中で舌打ちをした。)受け取り、それで手を拭いた後ようやく佐久早は一口目を口にする。
自分の好き勝手でAに世話をやかせるそれは、なんや母親に興味を持たれたいからと泣きわめく赤ちゃんみたいやなぁ…、いやいやおってたまるかこんな192ｃｍのでっかい赤ちゃん！！
自身の頭に一瞬よぎったそれを払拭するように侑も自身の食事を口に運ぶ。
ふと、Aを見やれば幸せそうに目を細めながら小さな口で飯を咀嚼している。
その小動物のような動きに侑の胸は簡単に刺激される。
あぁほんまにかいらし…。
感嘆の溜息が意図せず漏れてしまう。
そんな半ば恍惚とさえ言える表情だった侑の横腹を佐久早は容赦なく肘で打った。
「ｸﾞｩｯ！？」
「Aに汚らしい視線を向けるな。Aが穢れる」
コイツ自分のこと棚に上げよって…！どの口がほざいとんねん！
お前がAのことずぅーっと見とるの知っとるんやぞこっちは！
と叫んでしまいたい気持ちでいっぱいだったが、流石に思いとどまり、心配そうに此方を見るAには笑顔で「なんでもあらへんよ」と応えておく。
Aちゃんは高校の時からモテモテやから敵もぎょーさんおるけど、とりあえずの敵は臣くんやな…。
お前には負けへんからな！と意思をこめた目で佐久早を見ると、佐久早も同じ目で侑を睨み返した。
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牧野江(プロフ) - 叶芽凜さん» こんにちは、コメントありがとうございます。本当に好き勝手している作品だと思っているのでそう言っていただけるととても嬉しいです。こちらこそ読んでいただきありがとうございます！ (2021年8月3日 21時) (
レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
叶芽凜(プロフ) - こんにちは！ずっとこういう設定の作品を探していたので､もう最高です！！素敵な作品をありがとうございます！ (2021年8月2日 8時) (レス) id: 04dac8455e (このIDを非表示/違反報告)
牧野江(プロフ) - 月島野乃さん» レスが遅くなってしまい申し訳ありません。お褒めの言葉、とても嬉しいです！こちらこそ読んでもらってその上コメントまでしていただけて…！ありがとうございます。とても励みになります！ (2021年7月21日 0時) (レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
月島野乃 - 最高です。作っていただきありがとうございます！(^^) (2021年7月8日 23時) (レス) id: 39b7fcf3e5 (このIDを非表示/違反報告)
牧野江(プロフ) - ミントあいすさん» コメントありがとうございます。わー！教えていただけなかったらずっと誤変換するところでした！助かりました…！！修正します。ご指摘ありがとうございます！ (2021年1月15日 18時) (レス) id: c6b47ba73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：牧野江 | 作成日時：2021年1月13日 18時
