【リレー小説】希望と絶望、人類の【第1頁】 (ページ7)

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7.羞恥と暴走【リリィ･アイリス/響《HIBIKI》】ページ7

……最悪だ。

初っぱなから学園生活がゴールを迎えてしまった。

プチッ

……頭の中で何かが鳴った。

いやさあそもそも私って「皆さん静かにしましょう」的なキャラじゃないのよ絶対わかっててやったじゃんこの腹黒クソ親父が。

ほらあああ！あの三人！めっちゃなっま暖かい視線送ってくれちゃってるよしばきまわすぞ！

「…はぁ」

溜め息を、一つ。

マイクを握り直した。

思い出せ。私はリリィ･アイリス。

王族で、此処の人間全ての模範になることを義務としている。

義務なんてクソ食らえ。

「失礼、私はリリィ･アイリス。人類王のくs…素晴らしきお父様の娘です。

そして、私は異端の人間でございます。」

ザワッ、と空気が乱れる。

そりゃそうだよなぁ。異端とは珍しく、かつ弱い人類が一番忌み嫌われる要因でもある。

例えば、捕食者の前に捕食される側が突然銃を持ち込む様なものだ。

だから、異端と発覚したら、きっと周囲からは恐怖と、好奇心と…人類の癖に能力を持った下衆への視線で溢れるだろう。

「……ふー。じゃあ、他にやるの？兄弟の皆？」

マイクを摘まんで見ると、あからさまに目を剃らされた。こんちきしょう。迷惑掛けるなってか？
だから、それにもプチッと来ちゃって。

「じゃあ、私からもお祝いの品を！眠い人の目覚ましにもなるからね！」

人差し指を天に掲げた。
パチッ、と音が鳴る。

突然、暗かった体育館に青や黄色の稲妻が、花の形成を取る。
次に水が小さな羽の生えた少女になる…天使だ。

水の天使は各々の近くで舞いそしておでこに消えていった。

ヤバい。めっちゃ喉渇く。
ビリッ、と体に流れる電気に少し、高揚まで覚える。

「入学おめでとう。アイリス学園へ、ようこそ」

王族特有の礼をして親父にマイクをぶん投げたら、ニコニコとキャッチしてマイクに続き話し始めた。

「それじゃあ皆さん、教室に行きましょう」

…見取り図には、教室なんてないけどね。