キスのシーン ページ6
来てしまった、キスシーン
騎士の服を着ているエーミール教授が真剣そうな瞳で私を見る
演技上手すぎて、格好いいのは承知
此処で悶えたらあかん！全て台無しになってしまうやないかー！
なんてエセの関西弁を頭の中で考えながら台詞を口にする
em「俺は貴方が好きで好きで堪らない！！いつも貴方を考えてしまうんです」
ん？少し台詞が違うような
まぁ、それは舞台ではあるあるだ
台詞を一言一句覚えている訳がないない、ニュアンスで覚えている者が多いだろう
そういう私も一言一句覚えてないし、アドリブで何とかする事もある
さっきだってやっちゃったしね！
「でもッ！私は貴方みたいに平民ではないの！！.........平民じゃないの、なんで階級が違うだけでこんなに悩むの？」
.......少しアドリブをしてみた、だって何か似てるなって
私も婚約者が居なくて、エーミール教授と同じなら
きっと素敵に悩んで、恋に落ちて
幸せになれただろうか、なんて思った事もあった
乙女ゲームの世界じゃなかったら、どんなに良かったか
でも、会えなかったかもしれないから良きでもある
em「アメリア.......」
エーミール教授が顔を近づけてくる、もう唇は触れそうだ
ま、ままままままって！！？？？
エーミール教授をトンっと押す
あぁぁぁぁぁぁ！？？すみませんんんん！！！
「っ、私の唇はそんな安くありませんわ！愛する貴方でも、もう無理なんですからッ！！」
何とかアドリブで場を繋ぐ
いや、自分から仕出かした事なので自分でどうにかしないと。ほらエーミール教授だって吃驚してるじゃないか！
うわぁ、私は何をしとるんじゃ！！
恥ずかしさとやってしまった感で涙が目の端に溜まっていく
泣くな、泣いちゃダメだ
自分のせいなのに、なんで自分が泣くんだ
em「べネットッ......！！」
役名ではなく、自分の名前が呼ばれた瞬間
唇に、なにか柔らかいものが当たる
em「貴方を私は幸せにしてみせます、階級なんて関係ない.......貴方を愛しているんです」
「えっ......？」
理解が追い付けなくて、口から出るのは間抜けな声だけ
愛しそうに呼ぶ声に目を細めて笑う彼は、どうにも追い付いていない脳とは逆に煩く鳴る胸をもっと煩くする
em「いっそ、逃げちゃいましょう。誰にも反対されない所へ」
エーミール教授に手を引っ張られる
あぁ、本当に行ってしまいそうな手を
私は離せなかった
舞台裏へ走って消えていく
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漫画好きのいーちゃん(プロフ) - この神作品を読ませてもらってます！最高ですね…！無理せずに自分のペースで更新してくださったら嬉しいです！ (2022年4月16日 5時) (
レス) @page19 id: 57dc241e9e (このIDを非表示/違反報告)
れい - いやもうまじて最高です。神ですか？？？神ですよね！！！凄く続きが気になりますが、自分のペースでお願いします！！！お身体には気をつけてくださいね。 (2021年11月29日 23時) (レス) @page19 id: 08c8717c32 (このIDを非表示/違反報告)
伊予 - 続きが気になります！ (2020年8月15日 0時) (レス) id: 9946691f54 (このIDを非表示/違反報告)
一縷(プロフ) - シさん» わわっ！ありがとうございます！今は少しだけスランプで書けていないので終わればどしどし書きたいなと思います！(*´∀｀) (2020年7月4日 19時) (レス) id: 8b4c95c75f (このIDを非表示/違反報告)
シ - 読ませて頂きました。とても面白かったです。続きが読みたい…けど健康第一に考えて投稿してくださいね？ (2020年7月4日 12時) (レス) id: 86566bce55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一縷
| 作成日時：2020年3月12日 1時
