乙女ゲームのはず？ 【wrwrd！】

相談2 tn side ページ35

今日もいつも通り涼の相談をする


最近、桃に近づけへんしなぁ


オスマンがよく話掛けてるのを見かける


やけど、グルッペン最近話しかけへんなぁ


他に好きな女でもできたんやろうか



涼に相談すると、すぐによい答え貰える


やから涼に相談するんやけど


でも、何か違う気持ちもある


焦れったい何かが


涼に夏休みの相談をすると、海と言われた


「水着見れるで？」


そう言われて何故か涼の水着姿を思い浮かべた


涼には黒かな


うわぁ、俺変態やん


恥ずかしくなって顔に熱が溜まる


すぐに涼に言われたけど


バーベキュー等が話題に上がったりすると、急に楽しみになってくる


俺もまだ子供やな


なんて思ったりもする


話し込んでいると、いつの間にか夕方になってきた


もう学校も施錠されるし


涼に帰ろうと言われて何故か惜しくかんじる


どうしても引き留めたかった


tn「あれ？カフェに行くんちゃうん？」


また明日でもええやん


けど、何か離れたくない


まだ話してたい


すると、涼は俺のことを心配してくれた


ほんま、涼は他の人の事優先やな


そこが涼のエエところやけど


大丈夫やろう、と伝えると涼は嬉しそうに笑った


さぁ、行こか


そう思って鞄を持って立ち上がると


暖かい風は吹く


その風が涼の髪を撫でるように通り抜ける


涼は髪を耳に掛けながらふわりと気持ち良さそうに微笑む


ドクリ、と心臓が激しく動き出す


気づかない振りをしていた


でも、もう気づかない振りなんてできひんやろう


体が熱を帯び、まだ心臓は飛び出そうなくらいドクドクとなっている


桃に抱いた感情と、涼に抱いた感情は全然違う


なんと言うか、桃に抱いたものは神によって無理矢理芽生えさせられたようなものだ


やけど、涼に抱いた感情は一層深く優しく心地がいい


涼に抱いた感情とは、所謂"恋"


気づかない振りをしていた恋


でも、もう否定はできひん


相談会とは涼と会う言い訳にしか過ぎひん



好きや



その言葉が喉元に今にも飛び出そうなくらい暴れている


どうか顔が赤いのは夕日のせいにしてくれ


この心臓音が、聞こえないでほしい

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