大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ5)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:97,006 hit

5.放課後ページ5

.

6月に入ったばかりの放課後…
一花ちゃんは泣いていた。

「どうしたの…一花ちゃん…！」

彼女は私の問いかけには答えず

一「こんなん…っもういらん！！！」

と右耳に付いていた、あのピアスを外して
投げようとした。

「待っ、待ってどうしたの？」

慌てて私はそれを阻止。

一花ちゃんがこんなに泣くなんて、
本当にどうしたんだろう。

「一花ちゃん、、」

一「忠義なんて、大っ嫌い」

「え、？」

一「消えたらええねん…！」

そう叫んだ先にまさか、

大『……。あっそ』

大倉くんがいるなんてきっと一花ちゃんも
思ってなくて。

一「あ…」

大『お前がそう言うんなら、そうするわ』
大『私の話は無視なんって言うてたけど、一花やって俺の話聞いてないやん昔から。』

大『……俺だって……つかれたし。』

大『幼馴染とか疲れてん。』

一「じゃあもうやめようや幼馴染。」

「え、待って一花ちゃん、そんな」

大『Aさんは関係なくない？俺らの話やねん』

一「なんなん…その態度！Aにそんな態度とるんやめて言うてるやん！」

泣きながら一花ちゃんが大倉くんと言い合う。

いやだ…こんなの見たくない

でも今は些細なことも全て火に油だ。
わたしはどうしたらいいかわからずに
睨み合う二人の間で何も出来ない。

大『バイバイ一花』

大倉くんはそれだけ言って出ていく。

一「っ…わぁあああっ…！」

一花ちゃんは大倉くんが出ていって数秒
堪えたけどダメで泣き崩れてしまった。

「一花ちゃんっ、」

わたしは一花ちゃんを抱きしめて背中をさする。

何があったの？ふたりに。

安『一花…』
一「章大……っ」

安田くんが走って私たちの教室にきて、
一花ちゃんは安田くんに気付いたら

私から離れて、安田くんに抱きついた

わたしより今は、安田くんが一花ちゃんのそばに居る方がいい…。それを悟り、私ができることを探したくて、

安『Aちゃん！？』

気付けば教室から走り出していた。

「(まだ間に合う、間に合う…！大倉くんに
きっとまだ間に合う)」

一花ちゃんと同じくらいきっと
傷付いてる…。大倉くんを探さなきゃ。