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25.祝福 ページ25

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「おめでとう本当に!」
「安田くんのことは……辛いけど…」
「ふたりが幸せになれることを、安田くんも望んでるなら…めいっぱい幸せにならなきゃね!」









大倉くんは、私の話を静かに聞いていて
私の目を、じっと見つめていて。









「一花ちゃんと大倉くん、長かったね。」









やめて。見ないで。
その薄いブラウンの瞳も、風に揺らされる茶色い髪も
光に照らされた制服も。









全部が好きだから。









大『A…ごめんな色々』

「な、なんで謝るの〜っ?(笑)」

大『俺…Aにいっぱい気使わせたなって』









もう、ここに居たくない。
大倉くんは、人の気持ちを察することのできる人だ
何も言わなくても、伝わる人だって思ってた









だからお願い。もうかえらせて。









お願いだから、そんな目でもう私を見ないで。









横『A、』

「!横山先輩っ?」









後ろから声がして振り向くと横山先輩がいた。









横『なかなかこうへんから探したわ』

「え?」

横『大倉ごめん。こいつ俺と昼食べる約束してんねん、話し終わった?』


大『え、、あ…うん…そうやったんや、ごめんなA』



「ううん!じゃあまた後でね!」









大倉くんから離れて、横山先輩と歩いている間
私はずっと泣いていた。









そんな私を、横山先輩は何も言わずに
他の生徒から私の泣き顔を見せないように
立ち位置を考えてくれていて。









ずっとそばに居てくれた。









「横山先輩、私決めました。」









大倉くんの幸せをずっと祈り続けられるように
私がすべきことは









「大倉くんのことを、見ないようにします。」









横『……同じクラスやのに?』









「……大丈夫です。最低限で…生活すれば
1年生の時みたいに、私は一花ちゃんと大倉くんに最低限しか接しないようにしたらいいんです。」








横『…大丈夫?』








「大丈夫です!私強いから!」









とは言ったものの









一「A!忠義のこと、ずっと言ってくれててありがとう…。ほんまにありがとう」








「ううん!本当におめでとう!」







これから…私の気持ちは1ミリも知らない一花ちゃんから、大倉くんとのあれこれを聞かされると思うと、胸に時限爆弾を抱えたかのような気持ちになった。

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作者名:∞くらゆい∞ | 作成日時:2021年8月29日 0時

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