大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ23)

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23.君に報告をページ23

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「よ、こやま先輩…？」

横『……』

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〝大倉くんのヒロインにはなれない。〟

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横山先輩は、私の腕を引き、急ぎ足で階段を降りた。

横『大倉達が出てくる。』

そう言って。

走って学校から出て、ある程度の所で立ち止まったら
嫌でも思い出すあの光景。

「大倉くん…っ」

本当は、祝わないといけないのに。
大倉くんの長年の想いが
一花ちゃんの想いが

絡まった糸が、やっと、解けた瞬間なのに。

「どうして、っ涙が出てくるんですかねっ」

横『A…』

「わたしは……ダメなヤツですね、」

横『ダメなんかじゃないよ。』

横山先輩は優しい。ずっと私に優しい。
わたし、横山先輩と出会って無かったらどうなってたんだろう。考えるだけで怖い。

横『無理せんでいいから。』
横『泣きたい時は、泣いたらいいから』

「うっ…………うう〜ッ…！！」

全身に力が入る泣き方は、後で身体がしんどくなるのに、今はどうしてもそうなる。

そんな私を、横山先輩はまた抱きしめた。

大倉くんを、消したい。

どうしても消さなくちゃ、明日からは
笑っておめでとうって。

言わなくちゃ。

大倉くん。

いつの間にこんなに好きになっちゃったんだろう。

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次の日、教室へ行くと、大倉くんと一花ちゃんは2人で話していた。いい雰囲気で。

大『A…、』

一「A、おはよう！」

大『ちょっと、いい？』

「うん」

明るく振る舞わなきゃ

明るく。

お昼休み、話そうって言われて。
お昼休みになったら大倉くんに呼び出されて、

大『一花と、付き合うことになった』

そう言われた。

大『ヤスとは、昨日……別れてて』

「うん。」

大『ヤスとも…話して…』

3人で決めた事。ってことだよね。

「良かったね、大倉くん！」

神様、私はちゃんと笑えていますか？