働け！！妖怪旅館【ハイキュー】

人魂19つ ページ20

侑さんが引きずられて行ってしまってから数十分くらい時間が経った。


夕方になりようやく客入りも減ってくる。



百鬼夜行に参加するお客様のほとんどは今は繁華街を回っているらしい。



「あ、お疲れ様です！」

受付で頬杖ついて玄関をぼーっと見ていると、たすき掛けをしてお盆を持った五色さんが声をかけてくれる。


「五色さん！お疲れ様です」

ハッとこちらも立ち上がり頭を下げる。


「ようやく落ち着いてきたみたいですね」


「そうですね。

そういえば五色さん達は百鬼夜行には参加するんですか？」

「あぁ……、俺はしません。

参加出来る妖怪って決まってるんですよ。

それにウチは旅館がありますし、子の日に参加するのは牛島さんと天童さんだけです。

俺もあの行列に入るのが夢！


Aは見た事あります？百鬼夜行！」


「無いですね……」


「まぁそれもそうですね……。

ニンゲンが百鬼夜行に巻き込まれたら大変だ。


一番前に、宙に浮く囲われた畳に天女が乗って雅楽を演奏してくれるんですよ。

その後ろに妖がぞろぞろと着いていく。

俺まだニンゲンの世界に行ったことないんですよね。

白布さんはやめとけって言ってたんですけど、俺もあまり得意な方ではないので尚更……。

あ、Aさんは大丈夫ですよ！

逆に一緒にいて楽しいです！」


「あ、ありがとうございます。」


「それで、百鬼夜行でニンゲンの世界に行っていろんなものみたいです！

沢山の高い建物が並んでて、夜も鮮やかな光が街を覆って。

俺たちの夜は灯篭の光しかないので、見てみたいです！」

「……そうですか。

見られるといいですね。」

するとちょうどカウンターの電話が鳴り響く。

そこで五色さんとは別れた。

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