海に出て愛される【ONE PIECE】 (ページ8)

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「あれは……！」

「ほぉ……」

4つの刃はみるみる黒色に変色し鈍く光っている。

「武装色の覇気……そんなのも使えたんだな」

「マスターに教えてもらいました」

「……マスター？」

「はい！

私の家族です」

そう言ってAは地面を蹴って走り出す。

明らかに先程よりもスピードが上がった。

スモーカーも十手を構え直して迎え撃つ。

Aはまた刃を真正面から振り下ろした。

金属の硬い音が響き渡る。

最初の攻撃より明らかに重く強い衝撃だ。

余裕そうな顔をしていたスモーカーもこれには小さく笑っていた。

Aはもちろん防がれるのを承知の上で次は片方の刃だけ別の方向から攻撃を入れる。

そして次は右、左、斜めと四方八方から刃を入れる。

形勢逆転、次はスモーカーが攻撃を弾いたり防いだりしていた。

「さっきとは随分動きが違ェじゃねぇか。

本気じゃなかったのか？

舐められたモンだな」

「お互い様ですよ」

「ハッ、生意気言いやがって」

鉄がぶつかり合うたび周囲に衝撃波が広がっている。

様子を見ている訓練兵は早すぎて何が起きているのか目で負うことさえできなかった。

それほど凄まじい戦いを繰り広げていたのだ。

もうどれくらい経ったのだろう。

誰もが時間を忘れるほど固唾を呑んで見守っていた。

そしてやっとピタリと二人の動きが止まった。

煙と砂埃で二人の姿は見えないが、確かに止まったのだ。

段々と視界が良好になり二人の様子を見ると

Aの喉元に十手の先が、

スモーカーの首横に黒い刃が、

寸止めの状態で向けられていた。