海に出て愛される【ONE PIECE】 (ページ22)

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浜辺へ降りてすぐ歩きはじめる。

近くには大きな林と船が一隻。

そしてその近くには小屋が立っていた。

船を見る限り海賊船だろう。

近づかないのが吉、奥に果物でもなっていないかとその場をすぐあとにした。

数十分経つ頃、やっと見つけた一つだけ実っていた果物を軽く拭く。

どうやらまだ新鮮なようだし木になっていたから問題もないだろう。

「いただきまー」

そう言って一口食べようとしたときだった。

ドゴォンという激しい音とともにこちらに何かが転がってくる。

何事かと急いで目を向ければ大きな樽だ。

叩き斬ろうと両刃刀を構えるが、樽が転がると同時に人の声も聞こえる。

すぐさま鞘をつけたまま武器を構え直し、樽を壊さないよう衝撃を抑えるようにして樽を止めた。

何事かと両刃刀を腰に下げ直し、樽を追いかけてきたのか眼鏡の少年に顔を向ける。

「あの、大丈夫ですか？

怪我は？」

するとひょこっと樽から人が出てきた。

「はははは！

大丈夫だ、びっくりしたけどな」

「えと、貴方も大丈夫ですか……？」

眼鏡の少年は次にこちらに問いかけた。

「私も大丈夫…多少驚いたけど」

そう答えると樽の男がこちらにぐりんと顔を向ける。

「あ！お前、無事だったのか！」

「あ、さっきの麦わら帽子」

「お知り合いですか？」

「知らない」

「さっき渦潮に巻き込まれたときがはじめましてだな」

「う、渦潮！？」

そんなことより、と言いながら樽から抜け出した男は自己紹介を始める。

「俺はルフィ」

そう言って男はニカッと笑った。