[ 幻影と背中 ] ページ10
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氷雨の言葉を思い出し、加速した。
月明かりに照らされる街の中を駆け抜ける。
街は静まり返り、息をするたびに胸がざわつきが収まらず、柄を握りしめて心を落ち着かせた。
あれからすぐ任務に復帰し、手探りながらも単独の任務に限っては二刀流の実践も開始した。
今日は柱と合同任務との事だったから、足を引っ張りたくなくて、もう一本の刀は自室。
だけど、何も持っていない左手がむず痒くて、持ってくれば良かったと少し後悔してしまった。
ふと、細道の横を通ると空気が裂けたような感覚があり足を止めた。
『 ココヲ右ダ 』
「 うん、ありがとう。」
そのまま進むと開けた道に抜け、見慣れた背中が現れた。
夜風を切る羽織が、
月明かりの下で靡いていた。
「 あァ゙?
……んだ、テメェかよ。」
荒い声、鋭い眼光…
心臓が跳ねて、一瞬で胸が詰まった。
……また、任務が同じなの?
そんなこと、ある?
ちょくちょく任務が重なっていた義勇でさえ、こんな頻度では合わなかったのに。
私が思わず黙り込んでいると、舌打ちが聞こえてきたため、慌てて口を開いた。
「 ……風柱様。合流の指示を受けました。」
「 ハッ、足手まといが。
さっさと辞めやがれェ!!」
血走る瞳に、噛みつくような声。 言葉が刃みたいに鋭く、胸に突き刺さる。
「 足を引っ張るつもりはありません。」
「 引っ張るに決まってんだろうが。テメェみてぇなのが来たらよォ。」
否定したいのに…前回の任務を思い出して、喉が詰まり、声が出なかった。
「 辞めろォ…鬼殺隊。
テメェじゃァ鬼の肥やしになるだけだ。」
「 ……辞めません。」
「 テメェがどう思おうが関係ねェんだよ。
辞めろっつってんだァ。」
「 辞めません……!」
「 弱ェ奴から死んでくんだァ。
死に様を選びてェんなら、とっとと… 」
「 辞めないってば……!!」
気がついたら上官だから、と使っていた敬語も外れて思わず叫んでしまった。
その瞬間…実弥の瞳はより一層鋭くなった。
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あまね(プロフ) - 好きやわー!! (1月31日 12時) (
レス) @page49 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
るるるん - 更新めっちゃ嬉しいです😭藤霞さんのペースで大丈夫ですよ!!ゆっくり楽しみに待ってます☺️ (1月12日 14時) (
レス) @page49 id: 9d5107cf2a (このIDを非表示/違反報告)
うおう(プロフ) - 更新うれしすぎる!体調に気をつけてください! (12月30日 12時) (
レス) @page49 id: 28c4fbadbc (このIDを非表示/違反報告)
藤霞(プロフ) - るるるん様 私生活がバタバタしておりまして…落ち着いたらまとめて更新する予定です…!絶っっ対に完結させます!頑張りますね; ; (11月2日 3時) (
レス) id: 0c8bcdfefe (このIDを非表示/違反報告)
るるるん - もう更新しない感じですか😭😭更新あること願ってます💖 (11月2日 0時) (
レス) @page45 id: a564186e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤霞 | 作成日時:2025年9月1日 22時


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