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「 ……はァ、調子狂うんだよ。テメェがいんとよォ。
ンなとこ突っ立ってねェでさっさと行くぞ阿呆が!」
「 は、はい…!!」
踵を返して走り出した実弥の背中を急いで追う。
幾度となく変わる街並みを見ながら走り続けていると、途端に空気が変わった。
濃い鬼の気配。
ざらついた空気が肌を刺した。
「 ……っ!」
「 居やがったなァ…テメェかッ!!」
塀と塀の間の細い道から、
四本の太く長い腕に鋭い爪、口元には乾いた血の跡がベッタリと着いている。
その顔を見た瞬間、心臓がドクンと跳ねた。
「 テメェは下がってろォ、俺がやる。」
「 援護します!」
「 はァ゙?援護だァ?
うるせェ、いいから下がってろォ!!邪魔だっつってんだろうがッ!!」
私が一歩踏み出そうとした瞬間、
隣から風が吹き荒れ、豪快な刀捌きで鬼の腕が三本宙を舞い、辺りは鬼の腕から噴射される霧に包まれた。
驚いて口元を隊服で隠すも、息は続かない。実弥の様子を見ても殺傷能力は無いと判断したようだったから、大人しく腕を下ろした。
「 お前強いなァ?柱かァ…?」
「 あァ、そうだ。」
不気味な笑顔を浮かべた鬼。
グリンと瞳が回転し、そこに記されていたのは
「 下弦の、弐……?」
でも、その数字は痛々しく消されていた。
「 ……チッ、糞がァ!!」
なぜ消されているのか分からないくらい…この鬼は人を喰っているのが分かる。
きっと、それ程にも下弦になれる鬼には力があるんだ。
「 ケヒッ…柱を喰えば、
俺は下弦の弐に戻れる!!!」
「 よく喋る口だぜェ。
テメェを切り刻む柱の顔だァ…黙って覚えとけやァ!!!」
実弥の怒号に鬼は顔を歪めるものの怯まず、一瞬で腕を再生させ突っ込んできた。
私にも鬼の腕が迫る。
「 氷の呼吸
弍の型 ⎯⎯
回転と同時に腕を一本切り落とした。
大丈夫。
私の攻撃も…通用する。
私だって首を狙える。
その時、隣から視線を感じると実弥は目を見開きこちらを向いていた。
「 氷の……呼吸、だァ……?」
「 そう、です。」
「 ……テメェで、作ったのか。」
「 はい。」
そう言うと、実弥は何とも言えない顔をして視線を逸らした。
……私ごときが、自作の呼吸を使うなって思われちゃったかな。
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あまね(プロフ) - 好きやわー!! (1月31日 12時) (
レス) @page49 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
るるるん - 更新めっちゃ嬉しいです😭藤霞さんのペースで大丈夫ですよ!!ゆっくり楽しみに待ってます☺️ (1月12日 14時) (
レス) @page49 id: 9d5107cf2a (このIDを非表示/違反報告)
うおう(プロフ) - 更新うれしすぎる!体調に気をつけてください! (12月30日 12時) (
レス) @page49 id: 28c4fbadbc (このIDを非表示/違反報告)
藤霞(プロフ) - るるるん様 私生活がバタバタしておりまして…落ち着いたらまとめて更新する予定です…!絶っっ対に完結させます!頑張りますね; ; (11月2日 3時) (
レス) id: 0c8bcdfefe (このIDを非表示/違反報告)
るるるん - もう更新しない感じですか😭😭更新あること願ってます💖 (11月2日 0時) (
レス) @page45 id: a564186e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤霞 | 作成日時:2025年9月1日 22時


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