4.麻雀 ページ4
『ロン。国士無双役満ですね』
「クッソー!Aちゃんやっぱ強えなあー!」
『毛利さんが単純すぎるんですよ。今の私の河で北切りはないでしょう。』
「あー?」
『だって、ほら。ねえ、マスター。』
「俺もまさか毛利さんが北切るとは思わなかったなあ」
『まあ、その意外性こそが名探偵たる所以なんでしょうけどねえ。』
月に1、2回の頻度で開催されてる麻雀大会。
とはいえメンバーは私と毛利さん、ポアロのマスターの三麻。
金をかけるわけでもなく、私ならコーヒー豆一袋、マスターは食事代一回分、毛利さんは依頼料半額一回分、みたいに現物での賭け。
『依頼することもないのに半額が溜まってるんですよねえ』
「あんだよ、俺が負け続けてるって言いてえのか?」
『いや、私の周りが平和って言いたいんですよ。』
「なんもねーのか?浮気調査とか?」
『相手居ないですし。でももったいないですよね。せっかくだし何か…』
毛利さんから金をふんだくるのは蘭さんに悪い、かといって依頼したいことも別段あるわけでもナシ。
『あ、そうだ。毛利さん、最近なんか弟子を取ったらしいじゃないですか。』
「おお、アイツな。なかなか使えるんだよなあ」
使われてるのは毛利さんかも、なんて言うわけにもいかないし。
『毛利さんが弟子取るなんて初めてじゃないですか?』
「あー、まあ、そうだったかな?」
『なんで弟子を?』
「Aちゃん、安室君はね、毛利さんにお金を払って弟子になってるんだよ」
『え?お金を?』
「ちょっ、マスター何言ってるんすか!い、いや、違うんだAちゃん。」
ようやく謎が解けた。現場に着いてくるだけで他に何もせず収入が入るならいい仕事だ。
そんな楽な仕事を毛利さんが受けないわけがない。
「にしてもAちゃん、随分安室君のこと嫌ってるようじゃないか。」
『マスター。マスターならその理由分かってくれるでしょう。嫌ってるってわけじゃないんですよ。』
ナワバリに勝手に入って来られたような感じが気持ち悪いといいますか。なんというか。
「ほほう。この名探偵毛利小五郎!全てわかりましたぞ!!」
「よっ!眠りの小五郎!!」
「つまりAちゃんは…安室君のことを気になっている!どうだね?何か違っているかな?」
『違いますねえ。私の恋人は珈琲ですから。』
「ほんと好きだよね。コーヒー。」
『ええ。愛してますよ。この世で一番。』
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京風ラーメン - 武虎さん» コメントありがとうございます。この後の展開もその勘違いが上手く繋がっていくように考えていますので、2人を楽しく見守っていただけると嬉しいです。武虎様も、流行の病のみでなくインフルや花粉、五月病に負けぬようお身体を大切にして下さいね:) (2020年2月29日 1時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
武虎 - 勘違い……なんだけれどもかみ合って進んで行く楽しさ。大好きです。この御時世、お身体ご自愛しつつ更新をお願い致します。 (2020年2月27日 21時) (レス) id: a4e61f3629 (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます。勘違いの部分を楽しく見ていただからとこだわった甲斐があります。更新も出来る限り頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2020年2月22日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
桜ひかり(プロフ) - 勘違いが凄すぎて笑ってしまうwww更新してくださるの楽しみにしてます (2020年2月18日 21時) (レス) id: d6d394990c (このIDを非表示/違反報告)
京風ラーメン - 鴉屋媒鳥さん» :−P (2020年1月31日 0時) (レス) id: 58d253c9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:京風ラーメン | 作成日時:2020年1月11日 2時