現時点でフラグが建っている男達 ページ47
「ちょっと、A?」
「なんだ。何かあったか」
「いや、Aが助けてって言ってきて……それで切れて……」
「……アイツはイタズラするような子供だったか?」
「少なくとも、こんなガチっぽいイタズラはしないかと」
「閻魔A……だったか」
何やらゴソゴソと、綺麗に整頓された棚をかき分け、1枚の書類を手にした。
「道理で聞き覚えのある名前だと思った」
その書類を渡されると、胸の内にあった焦りがさらに全身を駆け巡った。
「なぁ廻。あの男が取り引き場所に重宝した廃工場……まだあったっけか」
「……行くぞ。組の不始末はきっちり片付ける」
子供に惚れるなんて…と思っていたが、日に日に強くなる疑いに、その思いは薄くなっていった。
閻魔Aは本当に子供なのか。
いつもの白フードを被って車を出した。
────
──
家の方向とは全く逆の方向に行くGPSを辿り、追う。
「環くんの方も心配だな」
Aによからぬ想いを向けているといえど、ご両親にも、もちろん本人にも感謝している。俺が仕事で居ない時Aを預かってくれたり、良い遊び相手になってくれたり。
彼が雄英に上がれば「環くん」ではなく、「天喰」と呼ぶことになるだろう。
……もしかしたら、将来のAの名字になったり。
そんなことにはさせたくないが、今の2人を見ていると、それもあながち間違っちゃいないと思えてくる。Aはまだ、あわよくばずっと、これからも、俺のそばにいてほしい。
時々垣間見える不思議な色香を感じ、思う。
子供を可愛いと思うそれとは別の感情を、今だけは押し殺して、少しづつその感情を表に出せるように。
高校に上がったら今まで以上に好きを伝えよう。他の男に取られる前に。
────
──
連れ去られた。俺がそばにいながら。目の前で連れ去られた。
けど行先の見当はついている。俺が転校する前、公園に行く途中に偶然Aさんの父親を見つけた時その人が入っていった廃工場。きっとそこにいるはずだ。なぜだか分からないけど分かる。
俺は弱い。Aさんがヴィランに人質にされた時も守れなかった。あの時からいくらか強くなったと思ったのに。
このままじゃヒーローになれない。もっともっと、Aさんよりも強い人間にならないと。大好きな人を絶対に守れるような強くてかっこいいヒーローに。
「好きって…言えるだろうか」
いつか、言えるかな。
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雪羅(プロフ) - Miraiさん» コメントありがとうございます!読者さんのノリが良くてこっちも面白いです。ごくせん好きなのでそう言って頂けて嬉しいです!! (2020年3月11日 13時) (
レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - なんかごくせんみたいだった。面白かった、、ｗｗｗ (2020年3月10日 12時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - 初コメなんですけど、ここのコメ欄面白すぎません？やばみざわなんですけど？時代遅れがでてしまった、、 (2020年3月10日 11時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - アトラさん» くっ…漆黒の翼め…!この性(聖)なる母である私に喧嘩を売ろうというのか!? (2019年7月31日 22時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
アトラ - ふふ...漆黒の翼の私前ではそんな言葉珍しくもないわ(変態) (2019年7月31日 10時) (レス) id: 32785243ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪羅 | 作成日時：2019年3月22日 12時
