環くん、あんた神か。 ページ45
ボッと顔を沸騰させて耳まで赤くする。未だ幼いその顔は、私を喜ばせるには十分すぎる顔面偏差値の高さ。目を逸らしまつ毛の長さを強調させる仕草も、手汗からか、少し手を緩め、またキュッと握り直す仕草も、無自覚のうちにやってしまうのだからタチが悪い。
「っ…うぅ、A…さんっ」
まだプルプルと震える手を離し、汗ばんで張り付いた前髪を払ってあげた。
「ゲーセン行こっか。欲しいフィギュアがあるんだ」
「あ…うん…」
会計を済ませ、家から1番遠く、さっきのカフェから1番近いゲーセンに足を進めた。
私の心意を察してくれたか否か、いつも行くゲーセンの反対方向でも環くんは何も言わなかった。
「さぁて、どこかなどこかなー?」
あちこちで電子音が響く。天井のスピーカーから流れる流行りの音楽に合わせ鼻歌を歌う。途中から環くんも混ざって雰囲気もいい感じになってきた。
「あ、あれじゃない?」
「おお!そうだよさすが環くん!」
先程両替しておいた100円玉をクレーンゲームに入れてスタートする。
取るのは某ジャンプで掲載されたお色気漫画のヒロインである宇宙人。桃色ロングヘアーの悪魔の尻尾を持った宇宙人と言えばわかる人もいるだろう。
そんな彼女の新作フィギュアが出たというので、変態たる私には取らない理由が無かった。
……そして開始から30分。慎重に慎重を重ねまくって1000円ほど消費した時、私の集中力は途絶えた。
「……」
「俺が取るよ」
財布から100円を取り出した環くん。真剣な目をしてゆっくりレバーを動かすと、箱の隙間に引っかかったアームが箱を押して、そのまま取り出し口にガコンと落ちる。
「…取れた…」
「天才か?神か?神童か?なんにしろありがとう環くんまじでありがとう」
店員さんが祝福の言葉と共にビニール袋をくれた。めっさ嬉しい。
「何か飲み物でも買ってくるよ」
待ってて、と言う紳士的な環くんに甘え、外のベンチに座り、先程取ったフィギュアの箱を開けた。もちろん真っ先にスカートの中を確認した。白だった。
「傷なし、指紋なし、顔面の崩れもなし。これは捗るなぁ…」
フィギュア鑑賞に勤しむ私の耳に、街頭テレビの音声が聞こえてきた。
『臨時ニュースです。先程刑務所から男が逃走しました。氏名は閻魔透司。個性は透明化。なお、この犯人は子供への虐待で逮捕され…』
「……は?」
乾いた声が漏れた。
「あのクソ親父…逃げたんか…」
身内なのに他人事のような気がした。
またシリアスですよコノヤロー→←誕生日デートじゃコラァァ!!!
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雪羅(プロフ) - Miraiさん» コメントありがとうございます!読者さんのノリが良くてこっちも面白いです。ごくせん好きなのでそう言って頂けて嬉しいです!! (2020年3月11日 13時) (
レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - なんかごくせんみたいだった。面白かった、、ｗｗｗ (2020年3月10日 12時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - 初コメなんですけど、ここのコメ欄面白すぎません？やばみざわなんですけど？時代遅れがでてしまった、、 (2020年3月10日 11時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - アトラさん» くっ…漆黒の翼め…!この性(聖)なる母である私に喧嘩を売ろうというのか!? (2019年7月31日 22時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
アトラ - ふふ...漆黒の翼の私前ではそんな言葉珍しくもないわ(変態) (2019年7月31日 10時) (レス) id: 32785243ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪羅 | 作成日時：2019年3月22日 12時
