医務室の医務員さん ページ36
なんだろ、転生特典かな。私が怪我の処置をしたら自己治癒力が高まって治るとか。
だとしたらナイスだ神様(笑)。この点だけは褒めてやろう。
「クロノ。部屋に連れて行け」
「了解です。行きやしょうか、A」
「はーい!極道少女のAさんでーす!」
陽キャみたいにふざけた返事をした。
それを見て、若は呆れたように目を伏せ、クロノさんは楽しそうに軽く笑った。
「ここが医務室です」
作中では切島くんとファットさんが応急処置していた部屋。どうやらここで私は医務員として仕事するらしい。
部屋を見渡すと、ベッドに水道台、薬やら包帯やらが入ってる棚、ダンボール箱。地下だからか、上にはグネグネとパイプが走ってる。
衛生的に大丈夫なのかこれ。
「んでこっちの扉の奥にトイレと風呂。基本は自由に使っていいです」
「カメラ仕掛けてたりしないよね」
「さぁ、どうでしょう?」
「…別にいいけど。撮ったやつは晒したりしないでよ?」
「なんで仕掛けてある前提なんですか」
男所帯の組だからね。スカートとか気をつけないと。
「……まぁいいや。こっちに来てください」
「んー?」
なんだなんだと、ベッドに座るクロノさんに近寄る。
「これ、なるべく肌身離さず持っているように」
ポケットから取り出された、月をモチーフにした片耳だけのイヤリング。
クロノさんはそれを私の耳に着けようと、綺麗な顔をなんの躊躇もなく近づけた。
おっひょおおおおおお!??!??!!?
「え、顔が良すぎやばたん」
「JKかよ」
まずい、語彙力の喪失で女子高生みたいになってしまった。
いやでもさ、考えてみたらご褒美以外の何物でもないよね。整った顔に揃う長いまつ毛とか、いい男が滲み出てるような爽やかな匂いとか。
それを間近で感じれるんだから幸せすぎるぜほんと。
「それじゃあ、耳たぶを挟むように、ここを2回押してみてください」
イヤリングをつけ終わったクロノさんが言った。
それに従って2回押すと、クロノさんの携帯から着信音が鳴った。
「わあお、ハイテク」
「あと、学校終わったらそれ使って呼んで、知らせてくださいね。迎えに行きやすから」
「やだ…イケメンの送迎とか耐えられない。何がとは言わないけど…」
「うわぁエrガキ」
「冗談だよ」
本当に耐えられなくなったらどうしよう。何がとは言わないけど。
「ん…?」
脳内であはんうふんなピンク色の妄想をしていると、部屋の外から人の気配がした。
292人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪羅(プロフ) - Miraiさん» コメントありがとうございます!読者さんのノリが良くてこっちも面白いです。ごくせん好きなのでそう言って頂けて嬉しいです!! (2020年3月11日 13時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - なんかごくせんみたいだった。面白かった、、www (2020年3月10日 12時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
Mirai - 初コメなんですけど、ここのコメ欄面白すぎません?やばみざわなんですけど?時代遅れがでてしまった、、 (2020年3月10日 11時) (レス) id: 425ef9bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - アトラさん» くっ…漆黒の翼め…!この性(聖)なる母である私に喧嘩を売ろうというのか!? (2019年7月31日 22時) (レス) id: 9caae3673b (このIDを非表示/違反報告)
アトラ - ふふ...漆黒の翼の私前ではそんな言葉珍しくもないわ(変態) (2019年7月31日 10時) (レス) id: 32785243ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪羅 | 作成日時:2019年3月22日 12時