好きな子のバイク【ヒロアカ】 (ページ4)

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4，寒さの目安ページ4

あの日から約2週間後。
ミリオとの昼食の約束を断って、科の違う本田さん(娘)と雄英の中庭で弁当を食べることにした。
承諾はしてくれたものの、これといった話題も無いから静かだ。
しかしせっかく仲良くなる機会ができたので、共通の話題……そう、試しにバイクの話を振ってみる。
すると、

「この季節は着る服に迷う。時々渋谷のライブカメラでみんなどんな服を着ているのか見てから決めることもある。ただ、バイクに乗る時の服装は見れない。普通の服では風を通して寒くなってしまうし、かと言って冬用のジャケットなんて、この暖かくなってきた季節に着れるわけが無い。いつもそれを悩んで時間無くなるんだ。」

本田さん(娘)は心持ちの良い口調で語った。

「一応、これ一枚で暖かいし風通さない…って感じのジャケットは持ってるんだけど、いかんせん真冬時にはそれだけじゃ足りなくて凍死しそうになるんだよね。」

「……目安とかは…無いのか？」

「あるよ。最高気温20度前後くらいでさっき言ったジャケット、15度以下でダウンジャケット。」

「なら、どうして毎回悩んでるんだ？」

「数値的な気温だけじゃ判断しきれないからだよ。その日の空模様、風の強さ、風向き、時間帯によって体感温度が変わってくる。」

日陰を走るなら普通のジャケットでは寒いが、ひとたび日差しに当たれば暖かくなってくる。
朝着ていった時は普通のジャケットで問題なかったけど、夜の日が落ちた時はダウンジャケットがいるくらい気温が下がったりする。

割と当たり前で普段はどうでもいいことだが、バイクの上ではとてつもなく大事なことだ。

「だからバイクにネックウォーマーとか、カーディガンとか積んでおくんだ。それだけでだいぶ違う。」

「へぇ…」

スクータータイプのバイクは座面の下に収納スペースがあるから便利だ。そこにヘルメットを入れたり雨具を入れたりする。
車種によってはフックがあるから、そこに物を引っ掛けてもいい。

…などなど、バイクに乗る上での大事なことを教わった。
時計を見るとまだ半分ほど余裕がある。

「その、差し支えなければ…免許試験の問題を教えて欲しい。」

「……私の口より問題集に聞いた方が早い。」

そう言うと、ポケットからスマホを取り出し、おすすめだという過去問サイトを教えてくれた。
答案式のサイトなのでいつでもどこでも疑似試験が受けられるというのだから、便利な時代になったものだ。