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「ついたぞ」


「!」



若利君のおうちは、坂の上にある一等地にあった。

昔の作りというか、平屋で瓦屋根。

玄関から見える庭はとても広いのがうかがえる。

なんだか、大物っぽい感じはしていたけど……ここまでとは。

そもそも、入り口はいるまでに門がなぜあるのだろうか。



「?どうした、入らないのか?」


「ちょ、ちょっと深呼吸させて……」



意味は分かっていないが、待ってくれる若利君。

胸に手を当てて息を吸って吐く。

なんだか、試合の時よりも緊張しているみたいだ。

門をくぐり、玄関の戸を若利君はひく。



「ただいま」


「お邪魔します……」



中に入ると、居間から顔を出したのは目がきりっとしているおそらく、若利君のお母さん。

こっちを見るなり、つかつかと寄ってくる。



「Aさんですね。若利の母です」


「お世話になってます、白樺Aです……!」


「どうぞ、上がってください」



にこり、と優しく笑う若利君のお母さん。

笑った感じの目元が、若利君にそっくりだ!

そのまま歩いていき、居間に通される。

お茶とお菓子がすでに用意されている。

どれも有名なお菓子だ。すごい、私なんかもらったら妹と喜んで舞ってしまう。



「緊張しているのか?」


「えっ」



ガチガチになっている私の隣に、若利君が座る。

そして私の右手を取って、握ってくれる。



「母さんは、今日のことを楽しみにしていた。お前も楽しめ」


「……うん」



冷えている私の手は、上に重ねた若利君の手でだんだん温かくなってゆく。

身構える必要はない。いつも通りだ。

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設定タグ:ハイキュー , 白鳥沢 , 牛島若利   
作品ジャンル:アニメ
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sally(プロフ) - 初コメ失礼します!!!以前からずっと更新の度に読ませていただいてます。牛若が好きで読み始めたのですがほんとに好きです…。着信音ほら貝で出陣が個人的にめちゃめちゃツボだったのでついコメントしちゃいました笑これからもひっそり応援させていただきます! (2020年4月25日 18時) (レス) id: e30a41127b (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - コハクさん» コメントありがとうございます!最近小説を書くのが楽しくてつい沢山更新しちゃいます笑今週末、続編が出ますのでそちらでもよろしくお願いします! (2020年4月22日 12時) (レス) id: 3712830079 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - 更新頻度が高くて嬉しいです泣いすださんの作品大好きです!応援してます! (2020年4月21日 13時) (レス) id: 204a8dc5ce (このIDを非表示/違反報告)
いすだ(プロフ) - 中村千尋さん» いつもコメントありがとうございます!ついに原作に入りましたが、全く終わる目処はたってませんwこれからも宜しくお願い致します! (2019年12月1日 10時) (レス) id: 8d99caffe6 (このIDを非表示/違反報告)
中村千尋(プロフ) - うおおおお!原作のあのシーンに入った!!いつも楽しませてもらってます (2019年11月29日 0時) (レス) id: a991a170a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いすだ | 作者ホームページ:欲はない。  
作成日時:2019年7月6日 17時

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