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「今晩はご馳走 作って待ってるね」
涼介「はぁ?何だよ急に……」
「ふふ ヒミツ♡ ほら、もう時間だよ」
今日が何の日だか涼介はすっかり忘れている
らしい。
いや…正確には知らなかったのもしれない。
2月14日 バレンタインデーを。
ライトグレーのパーカーに黒のリュック、
馬鹿のひとつ覚えのようなその服装に今日も
玄関先で手を振る。
会社を辞めて
二ヶ月が経っていた。
もともと貯金なんてなかったから彼の稼ぎだ
けで生活していくには正直、苦しかったけれ
ど、それでも心は穏やかだった。
社会に馴染もうと努力する涼介がこうして傍
に居てくれるんだ。自分だけ後ろを向いてる
わけにはいかない。
腕によりをかけた夕食、
慎ましい生活を送りながらも今日だけはと奮
発した食材をキッチンに広げた
その時だった。
"夕方からは天気が一転、今夜は大荒れの…"
プルルルル…
プルルルル…
ほとんど置物と化していた家電の呼び鈴
プルルルル…
プルルルル…
電話の主に検討もつかないまま駆け寄り、
受話器を手にする。
「……もしもし?」
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作者名:知夏 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/972e809caf1/
作成日時:2016年3月18日 23時